2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13610250
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
満田 久義 佛教大学, 社会学部, 教授 (60131306)
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Keywords | 持続可能性 / 共生 / 地球サミット |
Research Abstract |
本研究の目的は、人間と自然との共生を目指す21世紀社会の地平を拓くために、『持続可能な社会と共生思想』について研究することにある。 1992年の地球サミットにおいて、世界各国は21世紀地球社会の指針を与える持続可能な社会の創造を目指すことで合意した。それを受けて、ユネスコを中心に自然環境と人間社会との共生を目指す「持続可能な発展」の概念の明確化のために。「持続可能性とは何か」「持続可能な社会の主体は誰か」「持続可能な社会のための指標と評価」を解明するための研究が進められている。そして、持続可能性の概念の根本原理には、生命中心主義や生物的多様性の尊重に加えて、エコロジー制約下での社会的平等と社会的公正のための戦い、あるいは文化的多様性への相互理解が不可欠であることが強調され、「共生」が基軸概念となっていることが明らかになった。仏教学研究者からは、仏教の根本思想である「共生」や「縁起」こそが、近代文明の限界と21世紀社会のあるべき姿を議論するうえで、重要な役割を果たすべきだという論調が顕著である。 本研究では、自然環境と人間社会との共生を目指す「持続可能な発展」の概念を明確にするために、その概念の多様な次元を規範的、分析的、戦略的な側面から捉える。そして、持続可能性の概念定義を1)社会的環境的制約に影響され、影響しあう経済過程、2)社会的平等と社会的公正のため戦い、3)文化的多様性への認識と支持、4)生物的多様性の維持を中心に捉え、そして地域的レベルからグローバル・レベルまでのこれらすべての項目を活性化するため、統合された社会システムの制度的な間題解決能力(Institutional Capacity)として研究する。そして、「共生」思想と持続可能性概念との関連を明らかにする。
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Research Products
(1 results)