2002 Fiscal Year Annual Research Report
理工系大卒者における教育から職業への移行の構造と過程に関する時系列的研究
Project/Area Number |
13610272
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
平澤 和司 北海道大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (30241285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉野 勇 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助手 (80291996)
中村 高康 群馬大学, 教育学部, 助教授 (30291321)
山口 健二 岡山大学, 教育学部, 助教授 (90273424)
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Keywords | 理工系 / 大卒者 / 就職 / 学校推薦 / 大学教育 |
Research Abstract |
本研究のおもな目的は、理工系大卒者と職業とのマッチングにはいかなる構造があり、その構造が過去およそ30年間にどのように変化してきたか、さらにそれらが大学教育とどのように関連しているか、を明らかにすることである。昨年度と本年度前半の聞き取り調査の結果から、マッチングの構造と過程は大学間および学科間での差異が予想以上に大きいこと、それゆえ大学間比較を行う前に一大学の構造とその変動を詳細に把握する必要があること、さらに卒業生調査を行ううえで必須の同窓会名簿が整備されており、なおかつ閲覧の許される大学が限定されること、が判明した。そこで本年度後半は、名簿を今年度に改訂した国立大学1校に焦点をしぼって、1965年〜94年に当該大学の工学系5学科を卒業した2,101人を対象に郵送法で質問紙調査を行った。回収率はおよそ60%で、予想を大きく上回った。現在、詳細な分析を行う準備段階にあり、断言は避けなければならないが、指導教官の個人的な口添えによる就職から学校推薦という制度化された就職への変化がうかがわれること、工学系の卒業生にあっても少なくとも就職直後の仕事の内容は大学教育の内容とそれほど関連しないこと、最長で38年前の事象である就職に関して多くの対象者がかなり鮮明に記憶しており、これまで類例のなかったこうした調査方法が時系列的なデータを収集するうえで妥当なこと、任意のオープンアンサーへの記入も相当数あり当該テーマへの関心が高いこと、などが明らかになった。
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