2001 Fiscal Year Annual Research Report
教科再編・統合論議の日仏比較-生活科・社会科・理科・技術科の教科の総合化と分化-
Project/Area Number |
13610290
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
上里 正男 山梨大学, 教育人間科学部, 教授 (80193788)
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Keywords | 教科再編・統合論議 / 日仏比較 / 生活科教育 / 社会科教育 / 理科教育 / 技術教育 / 統合化 / 分化 |
Research Abstract |
本研究において本年度は、教育課程の全体構造の比較の方法論として、日仏それぞれの国の普通教育概念との関係を、また教育課程の全体構造のなかでの各教科の構造の比較の方法論として、教育課程論との関連から各教科における科学的概念による子どもの生活概念の再構成の独自性とその相互関連性との関係を検討した。フランスでは、科学的な客観的知識・技能の伝達を通して、子どもの理性を研磨するという主知主義(知育主義)が伝統的な普通教育概念であり、それに対して、フランスの新教育は生活の主人公としての人間の全面発達を目指してきた。これらの経験が、今日の子どものための柔軟な教育課程と活動主義の教育方法の展開に受け継がれ、その延長線上に、現在の教育課程全体と教科の再編の諸論議が位置しているが、1995年には小学校の教育課程改革において「科学・技術」科は、第1から2学年では社会科と統合し、総合的な教科である「世界の発見」科として新設され、その経過の分析が、我が国の生活科との比較において、子どもの発達に基づく生活概念と科学的概念の関連問題という現代教育学の研究課題としても重要となってくることが判明した。
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