2001 Fiscal Year Annual Research Report
日米両国における小学生の数学思考の発達に関する比較研究
Project/Area Number |
13610295
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 耕治 京都大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (10135494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤村 宣之 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (20270861)
杉本 均 京都大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (50211983)
西岡 加名恵 鳴門教育大学, 講師 (20322266)
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Keywords | 数学 / 数学教科書 / 数学思考 / 学力調査 / 比較研究 / ニューヨーク市 |
Research Abstract |
(1)米国で一般に使用されている数学教科書を入手して、数学思考の発達という観点から分析作業を進めた。その結果、米国教科書においては、「オーセンテック・アセスメント」の考え方を反映して、リアルな(実在の)素材が多用されていることが分かった。また、たとえば乗法指導において、「単位あたり×いくつ分=全体量」が米国ではその並びが逆に指導されていることを発見した。 (2)過去の日米の学力調査を収集して、そこでの学力実態を把握した。その対象としたのは、国立教育研究所による調査、IEA調査、PISA調査などである。 (3)試案的に、「比例、内包量、乗除法、分数」などの理解困難とされる諸概念や数量関係と空間関係の概括力、推理力を調査する項目を作成し、英文に翻訳した。 (4)この3月に訪米(ニューヨーク市)して、米国側の三小学校のスタッフと調査項目、調査方法について意見交換を行った。その際、問題の難易度、履修状況、問題の日米における文脈的相違などについて意見交換を行い、それらを踏まえて最小的な項目を確定して、調査用紙を作成した。 (5)また、米国側の協力校の特徴を把握すべく、その学校のおかれている地域的な特質、生徒の家庭的な状況、生徒の学力程度に関する一般的な状況について独自に調査を行った。その結果、それぞれの特徴について三校がバランスよく選抜されていることを確認した。
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[Publications] 杉本均: "マレーシアの大学教育と大学評価の動向"大学評価研究. 2号. 10-21 (2002)
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[Publications] 藤林宣之: "算数授業は児童の方略をどのように変化させるか"教育心理学研究. 50巻1号(印刷中). 33-42
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[Publications] 西岡加名恵: "ポートフォリオ評価法におけるルーブリックの位置づけ"教育目標・評価学会の紀要. 16巻. 69-78 (2001)
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[Publications] 田中耕治: "「『学力低下』論の多様性をふまえ、学力論へつなぐ」pp.138-149"草土文化『「学力」を問う』岩川直樹他編. 223 (2001)