2002 Fiscal Year Annual Research Report
言語によるコミュニケーションが困難な重複障害児・者の視機能評価システムの開発
Project/Area Number |
13610318
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Research Institution | Keio university |
Principal Investigator |
中野 泰志 慶應義塾大学, 経済学部, 助教授 (60207850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中澤 惠江 国立特殊教育総合研究所, 重複障害教育研究部, 第二研究室長 (60155702)
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Keywords | 重複障害 / 視覚障害 / 視機能 / アセスメント / 視力 / 視野 / 環境整備 |
Research Abstract |
視覚障害を併せもつ重複障害の人のコミュニケーションを支援し、人権を擁護していく際、視機能に応じた環境整備が必要である。例えば、自己選択を促す場面において、どうすれば、選択肢をわかりやすく提供できるかを決定するためには、その人がどのように世界を知覚しているかを知らなければならない。しかし、視覚障害を併せもつ重複障害の人の場合、どのような情報が利用可能なのかが把握されていない場合が少なくない。そこで、本研究では、言語によるコミュニケーションが困難な重複障害児・者の視機能評価について以下の5つの観点からアプローチした。 (1)重複障害児・者の視機能評価の必要性に関する調査:肢体不自由養護学校において、重複障害児の視覚障害の実態についてアンケート調査を実施した。その結果、「光は感じているようだ」、「見えにくさがあるようだ」といった視覚的なケアが必要だと考えられる児童生徒は、4割弱にも及んでいることがわかった。 (2)言語によるコミュニケーションが困難な重複障害児・者の視機能評価事例の収集:肢体不自由養護学校、盲学校の重複障害児を対象に、視機能評価を実施し、どのような手法が有効であるかを検討した。その結果、乳幼児の視機能検査用に開発された視力評価手法(TAC)だけでは、評価が困難な児童生徒が少なくないことがわかった。また、視野評価に関しては、従来の医療検査手法が適応できない児童生徒がほとんどであった。 (3)新しい評価手法の検討:従来の視機能評価手法が適応できなかった児童生徒に対して、行動観察や行動分析等の手法を活用して評価を実施した。 (4)評価結果の環境整備への応用:教育機関においては、視機能評価の結果が学習・生活環境の改善に適応できなければ意味がない。そこで、評価結果をどのように環境整備に応用すればよいかについて事例的に検討した。 (5)研修会の実施と報告書の作成:上記の研究成果を研修会等で紹介し、教育現場への普及をはかった。また、報告書にまとめ、関係機関に配布した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 中野泰志: "QOLを向上させるための視機能評価-治療・予防モデルから生活モデルへの転換-"日本ロービジョン学会誌. Vol.2. 19 (2001)
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[Publications] 宮島雅子, 中野泰志: "視覚障害をもつ生徒の主体的な視覚管理を目指した実践"第10回視覚障害リハビリテーション研究発表大会論文集. 111-114 (2001)
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[Publications] 中野泰志: "ロービジョン用文字処理有効視野評価システムの試作(3)"第39回日本特殊教育学会発表論文集. 212 (2001)
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[Publications] 中野泰志: "支援機器選定における行動の機能的評価の必要性-小田論文へのコメント-"心理学評論. 44(2). 191-194 (2001)
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[Publications] 林尚美, 中野泰志, 中澤惠江: "知的障害を伴う視覚聴覚二重障害児の教育的観点からの視機能評価と眼科的ケア"第11回視覚障害リハビリテーション研究発表大会論文集. 21-24 (2002)
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[Publications] 中野泰志, 中邑賢龍, 山田栄子: "障害の重複化,多様化と専門家の役割-総合的情報支援技術の必要性-"第11回視覚障害リハビリテーション研究発表大会論文集. 113 (2002)
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[Publications] 財団法人ニューメディア開発協会編: "電子情報支援技術を学ぶ"財団法人ニューメディア開発協会. 382 (2001)