2003 Fiscal Year Annual Research Report
「教師教育」と「教員の職務」との関連についての調査研究―看護教員を対象とした縦断的調査より―
Project/Area Number |
13610323
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Research Institution | THE JAPANESE RED CROSS COLLEGE OF NURSING |
Principal Investigator |
佐々木 俊介 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (40018221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 幾美 日本赤十字看護大学, 看護学部, 講師 (90257270)
樋口 康子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (50198991)
濱田 悦子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (10208580)
本田 多美枝 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 助手 (40352348)
平木 民子 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 講師 (60308286)
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Keywords | 看護教師教育 / ファカルティ・ディベロップメント / 看護教育制度 / 教員の職務 / 縦断的調査 |
Research Abstract |
今日、高等教育を取り巻く環境が著しく変化し、質の向上のための取り組みが必要とされている。大学の大衆化、大学全入時代の到来が予測される中で、大学での教育の質を保ちその責任を果たすためにも、教員の資質開発をすすめるという意味でのファカルティ・ディベロップメントという考え方が強調され、看護教師教育についても例外ではない。しかし、看護専門学校の専任教員については、その資格が「看護婦(士)学校養成所の運営に関する指導要領」(平成8年8月26日、健政発731)に拠るほかに明確な資格基準は見あたらず、十分な教育が行われているかについては疑問が多い。すでに、研究者らは約15年前に看護教師を対象に調査研究を行っているが、看護学教育を取り巻く状況の変化の中で、縦断的研究を行う必要性があると考える。そこで本研究では、看護大学、看護短期大学、看護専門学校の教師を対象に調査し、教育機関別の比較を通して各教育機関の教師教育の特色を明確にし、看護学教育における教師教育の充実を図るための基礎資料を得ることを目的とした。 看護大学76校、看護短期大学48校、三年課程看護専門学校497校、合計621校に調査依頼をした結果、看護大学43校、看護短期大学32校、三年課程看護専門学校83校、合計158校から研究協力の承諾が確認できた。2270名の看護教員を対象に質問紙調査を実施し、有効回収数1119名(回収率49.3%)、有効回答数997名(有効回答率43.9%)であった。データは、SPSSver.11.5によりカイ2乗検定等を用いて分析した。その結果、教育機関別では看護大学、看護短期大学に比較して看護専門学校の教員が教育実践上の問題を感じている率が高いことが明らかになった。また、職位別では教授、助教授に比べて助手が教育実践上の問題を抱えている率が高く教育意欲も低いことが明らかになった。
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