2003 Fiscal Year Annual Research Report
民族創生の臨界点:コロンビア太平洋岸地方・カリブ海岸地方ならびにベネズエラにおけるアフロ系民族運動の比較研究
Project/Area Number |
13610354
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石橋 純 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (70323318)
|
Keywords | 民族 / 人種主義 / 社会運動 / アフロ系 / 先住民 / 多文化主義 / 市民社会 |
Research Abstract |
当研究企画では、コロンビアの治安情勢不安のため、当初2年間ベネズエラ調査に専念してきた。第3年次にあたる本年度、はじめてコロンビアにおけるフィールド調査を実施することができた。 コロンビアにおけるアフロ系民族運動の先駆的組織であるCimarr'on、急進的かつ有力なアフロ系民族政治組織PCN、アフロ系人権団体AFRODES、先住民全国組織ONICをはじめこれらの民族運動を支援するNGOなどの本部を訪れ、コロンビアにおける少数民族問題の現状を理解するための初期調査を実施することができた。また、アンデス大学人文学部において、これまでのベネズエラ調査にかんする講演を行ない、コロンビアの研究者ならびにアフロ系運動家と有益な議論の交換を実現した。 ベネズエラにおいては、以下の活動を実現した。 -ロックフェラー財団の資金を得て2002年に実現した調査報告論集の刊行(ベネズエラ・マスメディアにおける黒人差別に関する章を分担執筆) -上記論文にもとづく講演(ベネズエラ現代美術館、アフロベネズエラ組織網共催) -ベネズエラ黒人女性連合創立メンバーAntonia Rada、前会長Reina Arratiaとのインタビュー -プエルトアジャクーチョにおける先住民運動の調査 ベネズエラ、コロンビアともに先住民運動を調査することは当初の計画にはなかった。しかし、両国ともにアフロ系運動と先住民運動の連帯が進む現在、先住民運動を視野に入れることが必要であると判断し、計画を修正した。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 石橋 純: "ベネズエラの民族政治運動の展開:混乱するチャベス政権と希望の水脈"神奈川大学評論. 45号. 71-80 (2003)
-
[Publications] Ishibashi, Jun: ""Hacia una apertura de debate sobre el racismo en Venezuela." in D.Mato (ed) Politica de Identidades y Diferencias Sociales en Tiempos de Globalizacion, pp.33-61"Universidad Central de Venezuela, Facultad de Ciencias Economicas y Sociales. 363 (2002)