2001 Fiscal Year Annual Research Report
地主作徳米商品化過程の研究 -地域社会構造論へのアプローチ-
Project/Area Number |
13610378
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
原 直史 新潟大学, 人文学部, 助教授 (70270931)
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Keywords | 日本近世史 / 商品流通 / 米穀流通 / 地主作徳米 |
Research Abstract |
研究の初年度である本年度においては、主として史料調査・収集を行った。 地主家文書については、新潟大学図書館所蔵五十嵐家文書の調査を継続的に行った。一方流通主体の文書としては、新潟県能生町鬼舞の北前船主、伊藤家文書の調査を、大学院生の協力を得て複数回実施し、文書整理をすすめつつ、主要史料の写真撮影による収集を行った。 これら一次史料の調査・収集作業と並行して、既刊史資料集より米穀流通関係史料のピックアップ作業を行った。さらに全国的米穀集散地である大坂における、北国産米穀流通関係史料の所在調査を行った。 以上の作業により、史料写真約2000点をはじめとするデータが蓄積され、これをコンピュータに取り込んだうえで、現在はその本格的な分析に向けた翻刻・電子化作業をすすめているところである。 現在までに、越後をめぐる商品流通のなかでは、日本海側の他地域に比しても米穀の占める位置が高いこと、した,がって米穀の商品化が早い時期から自覚されていること、こうした中で特に「三田米」と称された地主作徳米が、独自の位置づけを獲得していること、等の知見が確認された。地主作徳米商品化の各過程を具体的に復元しながら、これらの論点を総合しつつ、考察していくのが課題となるが、引き続き次年度における継続調査と分析によって、その達成を追求していきたい。
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