2004 Fiscal Year Annual Research Report
日本近世〜近代における偽文書と古文書鑑定技術の年次的変遷の研究
Project/Area Number |
13610379
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
山本 英二 信州大学, 人文学部, 助教授 (20262678)
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Keywords | 偽文書 |
Research Abstract |
本年度は、年度当初に提出した研究計画に基づき、以下のような研究を実施した。 1)まず本年度は、平成13年度から4ヵ年計画でおこなった研究の最終年度に相当している。そこで研究成果報告書を刊行するための準備に専念した。 まず長野県木曽郡大桑村・定勝寺において過去3ヵ年にわたって実施した古文書調査の成果のうち、1,551点の目録データを、データベースソフトを利用して、パーソナルコンピュータに入力した。 そして、そのデータベースを冊子体にして科学研究費報告書別冊『長野県木曽郡大桑村須原 定勝寺古文書目録』(信州大学人文学部日本史研究室編,2005年3月)として刊行した。 2)また同時に、偽文書および古文書鑑定技術に関するデータの補充調査を同時に進めた。 調査をおこなったのは、岡山県湯原町民俗資料館・鳥取県三朝町三仏寺,静岡県浜松市浜松市立中央図書館,千葉県佐倉市国立歴史民俗博物館,長野県下高井郡山ノ内町渋温泉つばたや旅館,新潟県小千谷市魚沼神社,である。 調査の結果、温泉に関するさまざまな由緒や縁起に関する言説史料を多数発見することができた。ここには相当数の偽文書が介在していた。また浜松市立中央図書館では、中村家文書のなかに浜松藩が天保年間に配布した「慶安御触書」を、新たに発見する事ができた。これも江戸幕府に関係する法令の偽文書であり、重要な成果となった。 3)上記の成果の一部については、学術論文として3編を発表することができた。
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Research Products
(4 results)