2001 Fiscal Year Annual Research Report
皇国地誌からみた明治維新期神仏分離の地方的実態―四国の場合
Project/Area Number |
13610397
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
村田 安穂 早稲田大学, 教育学部, 教授 (90063601)
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Keywords | 四国地方の皇国地誌 / 四国地方の明治維新神仏分離 |
Research Abstract |
研究課題の対象とする四国地方については、明治維新期において神仏分離の実施や皇国地誌の編輯がおこなわれた時期は、とくに県行政区画の分離・合併が盛んであった。香川・徳島の県名が消滅した時期もあった。今日のように伊豫・讃岐・阿波・土佐の旧国単位の4県の県域が成立したのは愛媛県から讃岐が分かれて香川県(第3次)が独立した明治21年12月3日のことである。 四国地方の皇国地誌については、内務省地理局へ提出の分を現存の目録でみると、阿波(阿波国郡誌、名東・勝浦・那賀・海部・名西・板野・麻植・阿波・美馬・三好の郡村誌)、伊豫(温泉郡誌、温泉・周布・和気・久米・桑村の郡村誌、越智・野間・風早・新居の郡地誌、但し目録には新居郡は郡名だけで提出冊数の記載がない)、土佐(吾川・香美の郡村誌)である。讃岐については提出されていない。なお愛媛県における皇国地誌の編輯の経過については平成13年に藤田正氏の論文がでたが、当時同県の管轄下にあった香川県域(讃岐)については触れていない。香川県(第1次明治4-6年、第2次同8-9年)は、徳島県(第1次明治4年・第2次同13年)第1次第2次の中間期(明治6-8年)に徳島県域を中心とした名東県の管轄下にあった。以上のことから本年度は香川県・徳島県の皇国地誌の残存状況の調査と両県域における神仏分離に関する史料の調査・収集をおこなった。香川県の皇国地誌は県立文書館等の行政文書には確認されないので郡村レベルでの編輯が行われなかったのか今後市町村の自治体史のレベルで調査したい。徳島県(阿波)の皇国地誌については、県立図書館に収蔵されている・しかし前記目録のうち美馬郡村誌が見当たらなかった。県立文書館にもない。県庁のどこかに所蔵されていると推察されるので発見したいと思う。両県の神仏分離史料については県立図書館・県立文書館所蔵の行政文書・社寺文書等の調査を続行している。
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