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2002 Fiscal Year Annual Research Report

『岩倉公実記』編纂過程における歴史観の形成

Research Project

Project/Area Number 13610401
Research InstitutionKogakkan University

Principal Investigator

上野 秀治  皇學館大学, 文学部, 教授 (70072428)

Keywords岩倉公実記 / 香川敬三関係文書 / 三条実美 / 歴史観形成
Research Abstract

本年度は、『岩倉公実記』編纂過程を主に解明することに努めた。岩倉公旧蹟保存会、国立公文書館内閣文庫、国立国会図書館憲政資料室、宮内庁書陵部の史料調査をはじめ、皇学館大学史料編纂所で借用中の香川敬三関係文書に含まれる関連文書の分析を進めた。この結果、およそ次のような編纂過程を経たことがわかった。
(1)明治16年8月香川敬三に岩倉具視行状取調べが命ぜられ、史料蒐集が開始された。
(2)18年頃より本格的な編纂活動が始まり、年譜稿がまず作成された。
(3)20年頃明治天皇より絵伝(絵巻物)の作成指示があったらしい。
(4)23年頃には田中有美が描いた絵巻物の下絵が作られた。
(5)その後絵巻物の作成は中断し、20年代後半には伝記の編纂が始まった。
(6)20年代後半に編纂されつつあった伝記が不十分なものと考えられ、多田好問を中心に大幅に改訂増補する内容の伝記(これが『岩倉公実記』となる)が30年代に入った頃から本格的に編纂された。
(7)多田好問の個人的な理由などもあって大幅に遅れたが、36年12月『岩倉公実記稿本』が完成、天皇に奉呈された。
(8)39年9月『岩倉公実記』上下2冊が印刷・刊行された。皇后宮職蔵版として宮内省より刊行されたが、少部数で寄贈先も限定された。
(9)40年代に『岩倉公絵巻』が完成した。絵は湯川松堂が描き、別冊の「詞書」が付された。
(10)費用は、少なくとも20年代は皇后の手許金から支出されていたことが判明した。
以上のごとく、かなり詳細な編纂事情を解明することができた。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] 上野秀治: "『岩倉公実記』編纂関係書簡(2)-香川敬三関係文書所収-"皇學館大学文学部紀要. 第41輯. 1-37 (2002)

URL: 

Published: 2004-04-07   Modified: 2016-04-21  

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