2001 Fiscal Year Annual Research Report
環境歴史学的視点に立つ中世荘園研究―東九州を中心に―
Project/Area Number |
13610406
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Research Institution | Beppu University |
Principal Investigator |
飯沼 賢司 別府大学, 文学部, 教授 (20176051)
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Keywords | 環境 / 荘園 / 自然 / 村落 / 遺跡 |
Research Abstract |
本年度の研究は、大きく分けて二つの方面から進行した。一つは、環境歴史学的視点に立つ大分県竹田市域における村落遺跡調査である。もう一つは、他地域との研究比較や現在の全国的な研究状況の把握である。 まず、前者の活動として、7月15日〜17日と9月21日〜22日の2回にわたって、大学院生と学部学生の協力を得て、竹田市域の大田・田井地区、三宅地区の調査を実施した。畑作地帯であった直入郡がどのように経緯を経て水田地帯に変貌を遂げて行くのか、水利や地名の調査を行い、古代、中世、近世、近代に至るこの地域開発の復原の材料を集めた。特に三宅地区は、中世の南北朝以降の史料が残存しており、中世から近世さらに近代への水田開発のあり方を探る手がかりを得た。 後者の研究としては、調査フィールドとして設定した直入郡の中世を復原する上である志賀文書の影写本の調査を行った。次に、現在、荘園調査が進められている平泉中尊寺領骨寺村の故地(岩手県一関市本寺地区)で行われた調査のあり方を見るため、現地に赴いた。また、3月には、大阪泉佐野市で行われた日根荘地区の荘園調査のあり方を学んだ。さらに、1月12日・13日に行われた荘園調査を考える会に報告者として参加し、現地での調査の意義や還元の問題ついて多くの研究者ととともに検討を行った。 この様な研究と関連して、本年度は、「環境歴史学序説」という論文と『土地所有史』の中で開発と環境をテーマに論考をまとめることができた。
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Research Products
(2 results)