2001 Fiscal Year Annual Research Report
ワシントン体制下の中国東北地方政府対日政策決定程程と日中近代文明観相克の解明
Project/Area Number |
13610425
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Research Institution | Hiroshima Prefectural Women's University |
Principal Investigator |
松重 充浩 県立広島女子大学, 国際文化学部, 助教授 (00275380)
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Keywords | 中国近代史 / 中国東北地域 / 満洲 / 張作霖 / ワシントン体制 |
Research Abstract |
初年度である本年度は、研究当該期における中国東北地域の定期刊行物史料および公文書史料の収集・整理を集中的に行った。 定期刊行物史料に関しては、国立国会図書館などでの調査を行った上で、1911〜28年における『奉天公報』・『泰東日報』・『満洲日日新聞』の複写と整理を補助員を利用しつつ精力的に進めた。その結果、『奉天公報』および『満洲日日新聞』に関しては、来年度以降の本格的分析の主要対象になる奉天省議会関連記事の摘出を終了し、『泰東日報』に関しては、1920〜1928年の現地中国人の国際認識に関わる記事の摘出・整理を終了した。 また、公文書史料に関しては、中国側档案史料および日本側公文書の収集を積極的に行った。中国側档案史料に関しては、中華人民共和国遼寧省で開催された「奉系軍閥曁張作霖国際学術研討会」(8月17日〜8月20日。本研究代表者の報告タイトルは、「張作霖奉天省政府的誕生及其支持基礎」)に本研究の全体的構想に対するレビューを受けることを主目的として参加した際に、遼寧省档案館にて収集に努めた。日本側公文書に関しては、外務省外交史料館の外務省記録の複写を行った。 なお、「奉系軍閥曁張作霖国際学術研討会」における本研究代表者の報告は、ワシントン体制期に中国東北地域を支配していた現地政権が如何なる支持基盤と政治的特質を有したものかを追究し、それが対外関係においては「癒着」と「競合」という2面性をもつもであり、ワシントン体制はその2面性が持つダイナミズムをより増幅する環境を提供するものだったことを論証したもので、報告論集として中国側から近く公刊される予定である。
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