2003 Fiscal Year Annual Research Report
ワシントン体制下の中国東北地方政府対日政策決定過程と日中文明観相克の解明
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13610425
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| Research Institution | Nihon University |
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Principal Investigator |
松重 充浩 日本大学, 文理学部, 助教授 (00275380)
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| Keywords | 中国近代史 / 満州 / 中国東北地域 / 張作霖 / 張学良 / 満州日日新聞 / 奉天公報 |
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| Research Abstract |
研究第三年度にあたる本年度は、収集史料の最終的な整理・分析作業に専念した。その具体的な結果に関しては、研究完成年度である来年度に集中的に発表していく予定であるが、概要は以下の通りである。
史料の整理・分析は、主に『奉天公報』、『泰東日報』、『満洲日日新聞』、『東三省民報』の4史料を中心に行った。
まず、『奉天公報』(1912〜28年の刊行分)に関しては、奉天省議会関連記事を摘出し、特に奉天省議会議事録に関しては、別途データーベース化(議題提出者の年齢・経歴・出身地、議題の争点、審議の結果)を、学生作業補助を積極的に利用しつつ行った。また、そこでの分析ポイントは、議事録から議題提出の意図とその正当化理路の摘出においた。その結果、奉天省レベルの「在地有力者層」である省議会議員の省政府政治レベルでの政治目標の中核が内地流通システム全般に亘る排他的独占にあることと、その正当化に際して「東北地域」の特殊性を強く押し出しつつも、「ナショナリズム」も適宜援用していることが判明した。
次いで、『泰東日報』、『満洲日日新聞』、『東三省民報』の3史料に関しては、主に日中間係争問題の論調に関して、初年度以来行って来た史料収集・整理を継続すると共に、そこに開示される日中間におけ文明観の分析を行った。その結果、1920年代後半以降、日本側が「文明」認識の非現実性を前提とした理路に大きく傾いていく一方で、中国側が「文明」認識の可能性を言わば「道具」として自らの正当性と日本側への優位性を提示していく方向性が明らかとなった。
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