2003 Fiscal Year Annual Research Report
東北アジア青銅器時代文化の総合的研究-中国東北地方・朝鮮半島・日本列島を中心にして-
Project/Area Number |
13610476
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
徐 光輝 龍谷大学, 国際文化学部, 助教授 (70278498)
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Keywords | 東北アジア / 青銅器文化時代 / 青銅器 / 無紋土器 / 環壕集落 / 水田稲作 / 農耕文化 / 弥生時代 |
Research Abstract |
平成15年度は主に中国遼西地域の青銅器時代考古資料と日本国九州、関東地方の弥生時代考古資料を収集した。 遼西地域の青銅器時代考古資料は主に朝陽市博物館と赤峰市博物館に所蔵されているが、市管下にある各県の博物館にも一部所蔵されている。特に両市の博物館には中国東北系(遼寧式)青銅器や土器のほか、夏家店上層文化の考古資料など、東北アジア青銅器時代文化の研究に欠かせないものが大量に所蔵されているため、長い間国内外の注目を浴びている。この一帯の青銅器文化がどのように朝鮮半島や日本列島に影響を及ぼしたのかが、近年の重要な課題となっている。 一方、北部九州が外来文化を受け入れる日本列島の重要な窓口の一つとして、朝鮮半島の青銅器(無文土器)文化の影響を受けながら、従来の生業パタンとは異なる水田稲作や金属文化に代表される定住農耕生活を営んでいく中で弥生文化が定型化したと考えられるが、この文化がどのように東へ伝播していったのかも重要な課題である。 そこで私はまず朝陽市、赤峰市博物館などに所蔵されている中国東北系(遼寧式)青銅器や土器、夏家店上層文化の考古資料を調査し、重要な遺物については実測などの作業を通して細かく観察し、現地の先生方から最近の発見状況や研究成果を伺った。 一方、日本国内では福岡、東京、埼玉、群馬などにある考古文物研究機関で弥生、縄文時代の実物資料を観察し、近年の研究成果を伺うと共に、考古学文献を集めてきた。特に弥生時代の細型銅剣、銅鐸、土器のほか、炭化米などの水田稲作資料や定住生活の存在を示す環壕集落遺跡の文献資料を収集した。現在、これらの基礎資料を整理分析している。 以上
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 徐 光輝: "論中国東北系銅剣的起源問題-以遼東地区的考古学資料為中心-"中国北方長城地帯青銅文化考古国際研討会論文集(吉林大学辺彊考古研究中心編集、科学出版社、北京). 辺彊考古研究 第1輯. 67-75 (2002)
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[Publications] 徐 光輝: "中国の農耕集落"東アジアと日本の考古学V-集落と都市-(後藤 直・茂木雅博 編). 3-52 (2003)