2001 Fiscal Year Annual Research Report
オセアニアの伝統土器文化:多様性を生んだメカニズムの研究
Project/Area Number |
13610478
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
印東 道子 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 教授 (40203418)
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Keywords | オセアニア / 伝統土器文化 / ミクロネシア |
Research Abstract |
本研究は、オセアニアの伝統土器文化を考古学、民族学、地質学の各資料を用いて総合的に研究することにある。本年度は時間的制約もあり、ミクロネシアおよびポリネシアの土器文化に関する文献資料を収集した。また、ミクロネシアにおいて、19世紀末から20世紀初頭にかけて撮影された土器作りの写真資料について、古写真資料や粘土サンプルなどを収集するためにミクロネシア西部への海外調査を実施した。 マリアナ諸島はオセアニアでもっとも早く17世にヨーロッパ文化と接触したため、文献資料にはまったくその伝統土器作りについては触れられたものがない。これは、あるいは土器作りの歴史がヨーロッパ人との接触時にはすでに喪失していたものとも考えられる。 ヤップでは非常に特異な土器作りを生み出したが、その背景にはヤップ島で利用できる粘土、およびそれに混ぜる混和材にあわせた技術的変化があったと考えられる。今回は、これまで採取してきた粘土サンプルに追加するサンプルの採取を行い、アメリカの地質学者へその鑑定を依頼している。 パラオの土器作りは、コイル巻き上げ式で、ヤップのものとはまったく異なる。むしろ、ニューギニアに見られる技術との類似が認められる。その背景には、良質の粘土の存在も無視できないと考えられる。 これら、歴史時代まで連続して行われた土器作り技術を記録した写真が、ドイツに保存されていることが期待されており、次年度はこれを発掘しにドイツへ調査に行く予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 印東道子, 小川英文: "縄文文化の南方的要素の比較研究:沖縄の貝斧と土器"尾本恵市編『日本人及び日本文化の起源に関する学際的研究、研究成果報告書』. II. 148-151 (2002)
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[Publications] 印東道子: "西部オセアニアへのオーストロネシア集団の拡散:新資料による見直し"モンゴロイドの自然誌(日本文化研究センター共同研究平成13年度報告書). I. 13-21 (2002)
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[Publications] Intoh, M., W.R.Dickinson: "Prehistoric pottery movements in western Micronesia : Technological and petrological studies of potsherds from Fais Island. Burley, et al. (eds.), Fifty Years in the Field : Essays in Honour and Celebration of Richard Shutler Jr.'s"New Zealand Archaeological Association. (2002)