2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13610513
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
瀬間 正之 上智大学, 文学部, 助教授 (00187866)
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Keywords | 常陸国風土記 / 周処風土記 / 華林遍略 / 法苑珠林 / 書紀集解 / 広弘明集 / 助辞 / 漢文の誤用 |
Research Abstract |
上代日本文学の文字表現が、具体的に何に依拠したのか、何に学んだのかを明らかにするために、本年度は、周処『風土記』・『華林遍略』・『修文殿御覧』という佚書の再構成に向けての逸文収集と日本書紀典拠研究の出発点でもあった『書紀集解』の引用書の整理を中心に行った。その一部を、「常陸国風土記の文字表現(一)序説」(上智大学国文学科紀要19)に発表した。 1.周処『風土記』の佚文収集。 これについては、守屋美都雄氏の先行研究を踏まえ、さらに諸文献からの佚文を収集に努め、周処風土記佚文集(稿)の電子テキスト化を継続している。 2.『華林遍略』『修文殿御覧』の佚文収集。 佚文の存在が指摘される国内外の諸文献から収集に努めた。佚文の存在が確認される仏典『広弘明集』『辯正論』『法苑珠林』のデータベースを作成した。 3.『書紀集解』引書索引の作成に向けて、引用書目録の作成を継続中である。 4.『常陸国風土記』の文字表現の研究として、助辞用法の考察・漢文としての誤用の考察・典拠の考察を行い、その一部を「常陸国風土記の文字表現(一)序説ー誤用と助辞用法を端としてー」(上智大学国文学科紀要19)に発表し、漢文を志向したにも拘わらず、漢文の語法に乖離する表現の分布を調査し、それが何に起因するかを考察した。また、漢語の助辞がどのように用いられているかを郡ごとに調査し、その分布に偏りがあることを発見した。その理由については、次年度以降の典拠研究の成果とも考え合わせていく予定である。
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Research Products
(1 results)