2004 Fiscal Year Annual Research Report
絵画と文学-林美一コレクションを中心とした近世絵入門学の研究-
Project/Area Number |
13610522
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
中本 大 立命館大学, 文学部, 教授 (70273555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤間 亮 立命館大学, 文学部, 教授 (70212412)
冨田 美香 立命館大学, 文学部, 助教授 (30330004)
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Keywords | 江戸戯作 / 江戸時代考証 / 艶本 / 春画 / WEB版書籍閲覧システム / 人情本 / 咄本 / 読本 |
Research Abstract |
前年度から引続き、修復必須の作品について、研究補助員と業者委託により修理・補修を進めた。それらの資料を逐次、デジタルカメラによって撮影し、それを使って書誌情報の整理をし、WEB公開用の複製データも同時に生成した。とくに、今年度は、人情本・咄本・その他、明治版本・複製翻刻書などの整理が主な対象であり、書誌情報調査については、これらの作業により、版本作品についての調査を完了した。独自開発のWEB書籍閲覧システムにより順次その公開を世界に向けて発信しているとともに、報告書用のデータ整理を実施した。 滑稽本・人情本・読本を重点テーマとして、浮世絵や漫画・映画など絵と文学の関係が必要な表現媒体において、特徴的な事例とその事例に対する解題を蓄積するための研究会を実施した。このなかでは、それらの文学系の資料研究以外にも、今年度調査の中で、とりわけ注目に値する、林美一が時代考証に用いたであろう幕末明治期の風俗史料類、例えば『時代風俗考証事典』に記述のある資料について報告がされ、氏の晩年の映画界での活動や出版物などとの関連が明確になりつつある。の他、遠隔地からの閲覧を可能にしたこのシステムを利用してWEB上で研究協力者を募り、国内外の研究者との研究協力体制を確保し、とくに本コレクションの中心的作品群である江戸読本について、研究者の調査が相次いで行なわれ、その窓口として対応した。 その他、日本浮世絵博物館所蔵の歌川国貞作品の悉皆調査を継続的に行なったが、それは、林美一氏が生前力をいれていた国貞作品との関連を明らかにするのが目的である。しかし、この博物館は、情報公開が積極的に進めておらず今回の報告書には含めることができない。 最終年度として、これまでの活動と、林コレクション全体の書誌報告をまとめ、報告書と公開すする。
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Research Products
(2 results)