2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13610544
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Research Institution | Nara University |
Principal Investigator |
筧 久美子 奈良大学, 文学部, 教授 (80031342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 香奈 金沢大学, 外国語教育センター, 助教授 (30272933)
成田 静香 関西学院大学, 文学部, 助教授 (00237603)
野村 鮎子 奈良大学, 文学部, 助教授 (60288660)
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Keywords | 語られた女 / 中国女性史 / 女性称謂 / 妬婦 / 寿序 |
Research Abstract |
本研究は、古典文学を専門とする女性研究者から成り、女性の視点から古典文学を読み直すことに主眼をおいたものである。そこで、古典文学の中で「女」がどのように語られたかについて、文体と文学思潮の両面から考察を行った。 平成13年度の研究は、研究分担者が各自、時代別に分かれて研究を行い、必要な時に京都で研究会を開催する形で行った。「語られた女」について、寛久美子が主に清末の評論を、野村鮎子が宋・明・清の寿序・墓志銘を、成田静香は唐の詩文を、林香奈は六朝の詩文を中心に研究した。なお、本年度、東京の中国女性史研究会が『論集 中国女性史』を出版しており、これについても批評を行い、その一部を研究主担者である寛が「書評『中国女性史』」(『女性史学』11号)として公表した。 さらに筧は女性の称謂についても考察をすすめ、「漢語称謂-女性語を中心に」(新村出記念財団報15号)を発表した。 六朝時代を担当した林は、以前に行った「妬婦」に関する研究の続編の形で「『妬婦』考補説ー恐妻家の記録ー」(『言語文化論叢』6号)を発表している。 明・清時代を担当した野村は、女性の寿序についての研究をすすめ、明清時代に女性の寿序という新しい散文の文体が流行することを、当時の「孝」と「家」の思想から分析した。現在、中国の編集局に「明清女性寿序考」を投稿中である。先方から掲載する旨の連絡はあったものの、現時点での詳細は不明である。 来年度については、これらを統合する研究、すなわち、女性史と関わりのある中国文学研究論文リストを作成・整理することを計画しており、連携先を模索中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 筧 久美子: "書評『中国女性史』"女性史学. 11号. 117-120 (2001)
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[Publications] 筧 久美子: "漢語称謂-女性語を中心に"新村出記念財団報. 15号. 9-12 (2001)
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[Publications] 林 香奈: "「妬婦」考補説-恐妻家の記録-"言語文化論叢. 6号. 260-278 (2002)