2001 Fiscal Year Annual Research Report
フェミニズムからポストフェミニズムへの進化:英国世紀末詩人ベヴィントンの居場所
Project/Area Number |
13610545
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
瀬名波 栄潤 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (10281768)
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Keywords | フェミニズム / 英国 / 19世紀 / 文学 / 政治 / アナーキズム |
Research Abstract |
ルイザ・サラ・ベヴィントンは、1880〜90年代にロンドンで活躍した詩人兼政治活動家であり、当時の政治・文学界に多大なる影響を与えたとされるが、現在その存在は殆ど忘れられている。彼女の作品を取り上げた研究は毎年確実に増えているが、彼女に関する資料はまだ断片的であり、その研究は当時の出版物に頼らざるを得ない。 この一年間は彼女の詩や随筆等の資料の収集に費やされた。9月渡英し、英国図書館、ロンドン大学、ケンブリッジ大学にてベヴィントンの作品に関する資料、特に「フリーダム」紙にある彼女の記事の収集及び伝記資料情報収集。今だ作品全集の出されていないベヴィントンの著作物に対し、研究代表者はこれまでに彼女の詩集の殆どをすでに収集済したが、彼女の随筆等はまだ残されていると考えられる。また、ベヴィントンの伝記的情報収集については、依然進展していない。来年度以降中期に渡る現地調査の必要がある。2月には、米国の文学誌ヴィクトリアン・スタディーズの編集委員を務めるWilliam B.Thesing博士やフェミニズム文学研究の権威であるポーラ・フェルドマン博士の元に赴きその内容確認を受け、また出版社の情報を得た。 今年度収集された資料は、スキャナーで処理、また詩集等の表紙などはデジタルカメラで処理しコンピューター保存された。 来年度の課題は、伝記情報の収集と最終年度へ向けた資料の整理である。
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