2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13610551
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
鈴木 亨 山形大学, 人文学部, 助教授 (70216414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富澤 直人 山形大学, 人文学部, 助教授 (40227616)
丸田 忠雄 山形大学, 人文学部, 教授 (10115074)
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Keywords | 付加詞 / 統語構造 / LF表示 / 動詞の語彙意味 / 述語 / 派生 / wh句 |
Research Abstract |
富澤担当の統語構造からLF表示への派生に関しては、疑問詞の振る舞いや照応形の照応関係の特性を考察・検討し、統語構造形成の初期段階において素性の処理(意味素性の解釈や統語素性の照合)が行われていることを支持する証拠を提示した(>論文2点)。これは従来の表示型(representational)の統語理論とは異質の派生型(derivational)モデルを支持する議論と位置づけられる。また、特定の型の派生型モデルを採用すると、付加詞が示す「島効果」を、主語条件と同質の特性の反映として導き出すことが可能であり、現在、このストーリーの妥当性を検証中である。サーバーに関しては、環境設定を完了しコンテンツの作成に取りかかっている。 丸田担当の語彙意味論の立場からは、形容詞構文の分析を行った。扱ったトピックはtough構文とMental Property形容詞である。語彙意味論のアプローチでは、まずこれらの語彙意味を分析し、それに基づきこれらの形容詞がとる特有の構文を導き出すという手法をとる。成果としては第一に、tough類形容詞にみられる構文交替を形態的操作に基づくタイプシフトによって解明した。第二に、Mental Property形容詞のゼロ形態素分析により、特有構文の句の出現を解明した。 鈴木担当の語彙意味論による付加詞の解析においては、他動詞構文に基づく標準的な結果構文においては、2つの下位事象の測定尺度が<同型性>の条件の下で融合されることが成立条件となるのに対して、フェイク目的語結果構文では、同条件は課されず、むしろ使役的因果関係が文脈上推諭できることが成立条件であることを示した。また、結果構文の本来的な機能を、<有意味>な推移を持つ特異な事象の描写であるとみなし、コーパス等のデータを用いて結果句や選択制限やフェイク目的語結果構文における強意の読みの起源について解明を進めている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 富澤 直人: "Toward a computationally efficient syntax : Semantic interpretation in L"Explorations in English Linguistics. 17. 149-173 (2002)
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[Publications] 富澤 直人: "A derivational approach to interpretation of wh-constructions"English Linguistics. 19・2. 511-535 (2002)
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[Publications] 丸田 忠雄: "Tough構文-合成述語分析"筑波大学「東西言語文化の類型論」プロジェクト研究成果報告書. 481-504 (2002)
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[Publications] 丸田 忠雄: "Tough構文-二層の主題領域"市河賞35年の軌跡(開拓社). 351-359 (2003)
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[Publications] 丸田 忠雄: "W類形容詞について"英語青年. 6月号. 46-47 (2003)
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[Publications] 鈴木 亨: "測定尺度と特異的事象の描写"山形大学紀要(人文科学). 15・2. 221-240 (2003)