2001 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカの奴隷体験記(スレイブ・ナラティブ)と黒人文学
Project/Area Number |
13610595
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
小林 憲二 立教大学, 文学部, 教授 (90092056)
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Keywords | 多元文化主義 / アメリカン・ルネサンス / 家庭小説 / 奴隷体験記 / 黒人文学 / ニュー・ヒストリシズム / カルチュラル・スタディーズ / ポスト・コロニアリズム |
Research Abstract |
1.今年度は,基本的な作業として,十九世紀のアメリカ文学を多文化主義的な観点から再検討した。とりわけ,所謂「アメリカン・ルネサンス」の文化状況を多元的に捉え直した。 2.具体的には,エマソン,ソーロー,ホーソーン,メルヴィル,ホイットマンらの「ヨーロッパ系白人男性」作家を中心に論じられてきた十九世紀のアメリカ文学を,たとえばストウ夫人やリディア・マリア・チャイルドらの「家庭小説」ないしは「感傷小説」の女性作家たちとの関係,さらにはフレデリック・ダグラスやハリエット・ジェイコブズらの所謂「奴隷体験記」をものした黒人の書き手たちとの関係において論じ直し,そのことを通じてアメリカ文学研究のフィールドを外延的にも内包的にも拡大・深化すべく努力した。 3.その際の考え方と分析の方法としては,(1)サクバン・バーコヴィッチやドナルド・ピーズらが展開した「ニュー・ヒストリシズム」(2)C.L.R.ジェームズやポール・ギルロイらの所謂「カルチュラル・スタディーズ」(3)さらにはホミ・バーバやベル・フックスらの「ポスト・コロニアリズム」といった新しい批評態度に基づく研究成果を十全に取り入れた。しかし,それと共に,本研究の主要対象に対しては,個別研究として積み重ねられてきた従来型のものも含めて,これまでの先行研究の基本的成果や新しい知見などの吸収・紹介も怠らないように努めてきた。
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Research Products
(1 results)