2002 Fiscal Year Annual Research Report
フランス語における他動性と間接目的機能の統辞・語彙的研究
Project/Area Number |
13610604
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
敦賀 陽一郎 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (30155444)
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Keywords | 直接目的 / 間接目的 / 移動 / 場所表示 / 前置詞 / 両立可能性 / 動詞構文型 / 構文頻度 |
Research Abstract |
本年度は、「間接目的de-N/Infinitif」、「直接目的Nと間接目的de-N/Infinitif」、「直接目的seと間接目的de-N/Infinitif」を取る動詞の実例収集を継続しつつ、構文下位クラスの幾つかの事例について両立可能性と構文使用の実際の分析を試みた。 フランス語には、「場所表示」の直接目的を取り、場所へ移動される対象を間接目的de-Nで表現する一連の動詞(884動詞)がある。これを「N_0-V-N_1-de-N_2」で表すと、この構文との関係で「N_0-V-N_2-Loc-N_1, N_0-V-N_1-avec-N_2, N_2-V-N_1」(Loc:場所の前置詞)の各々の構文を許容する可能性により、これらの他動詞の一つの下位区分が可能になる。4構文全てを取るもの:108 (12.2%, 例 charger)、N_2-V-N_1のみを取らないもの:13 (1.5%, 例 planter)、N_0-V-N_1-avec-N_2のみを取らないもの:50 (5.7%, 例 creuser)、N_0-V-N_2-Loc-N_1のみを取らないもの:408 (46.2%, 例 couvrir)。(2つまたは3つの構文を排除するものはここには含めない。) 上の数値は構文の可能性を表していて実勢を示してはいない。例えば、例外的な下位クラス(当該動詞の1.5%)に属する動詞planter「植える」の実際の頻度数は、上記の4構文の完全な形で必ずしも現れては来ないが、これらと関連させて数えると次のようになる。N_0-planter-N_1-de-N_2:73, N_0-planter-N_2-Loc-N_1:725, N_0-planter-N_1-avec-N_2:1 (Frantext 1970-97,等による)。更に、実際に現れる形も圧倒的にN_0-planter-N_2-Loc-N_1が多く、完全な形でのN_0-planter-N_1-de-N_2は1回のみであることが分かる。下位クラスの構文の可能性の網羅的な調査は必須であるが、同時に実際の頻度数により構文体系内部の緊張関係を知ることも重要である。
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Research Products
(1 results)