2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13610639
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Research Institution | TOKYO UNIVERSITY OF FOREIGN STUDIES |
Principal Investigator |
高垣 敏博 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (00140070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福嶌 教隆 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (50102794)
宮本 正美 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (20131477)
上田 博人 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (20114796)
アントニオ ルイズ・ティノコ 上智大学, 外国語学部, 助教授 (80296889)
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Keywords | スペイン語学 / 統語論 / 方言 / バリエーション / 文法課題 / アンケート調査 / データバンク |
Research Abstract |
本課題は概略,わが国のスペイン語学研究に関してこれまで主としてわが国で蓄積された研究成果をテーマやキーワードごとに分類し,研究裸題・文法項目別の情報検索を可能にするデータバンクを構築することを当初の目的とするものである. 2年にわたる予備的研究の結果,スペイン語学研究の多くの問題は言語の地理的バリエーションを考慮することによって,スペイン語文法現象の本質をより正確に捉えることができるのではないかとの認識にいたった.本来のプロジェクトの目的からの逸脱を前提に,より学問的進展が望めると期待できる方向に軌道修正をすることになった. すなわち空間的・地理的パラメーターがどのように文法説明に関わっているのかを実地調査から得られたデータによって確かめ,それらを包括する方法論を追求する方向に研究の照準を合わせることにした. 最終成果報告書ではこの目的で実施したスペインにおける現地フィールドワークから得られたデータおよび分析をまとめた. これまで言語現象を地理的観点から扱ったものは,主に音声,形態面での研究が中心であった.語彙のバリエーションについても先行研究は少なくない.日本を拠点とする世界的プロジェクト「VARILEX(スペイン語の語彙バリエーション)」(http://gamp.c.u-tokyo.ac.jp/~ueda/varilex/index.html)などにより得られた成果もその一例である.しかしながら本プロジェクトが対象とするような「統語的・文法的」側面からの地理的バリエーション調査・研究はスペインを含めて類を見ない.本成果が文法研究に新たな視点,ベクトルを与え,ここに収められたデータや分析を出発点として,従来懸案となっているさまざまな個別の文法課題についてこれまでとは異なった角度から新たな成果が生まれることを期待する.
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 高垣敏博: "不定形serによる受動文"スペイン語学研究. 第18号. 101-122 (2003)
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[Publications] 高垣敏博: "スペイン語受動文の生産性について"スペイン語学論集-寺崎英樹教授退官記念論文集. 72-82 (2004)
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[Publications] 上田博人: "ロサンジェルスのスペイン語語彙調査"スペイン語学研究. 第18巻. 163-174 (2003)
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[Publications] 上田博人: "Tipos del lexico y ensenanza del espanol como segundo idioma"Cuadernos Hispanoamericanos, vol.631. Homenaje al Prof.Manuel Alvar. 27-33 (2003)
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[Publications] 福嶌教隆: "イスパニア語接続法の教育方法について"神戸市外大論叢. 第54巻7号. 1-20 (2003)
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[Publications] 宮本正美: "A Formal Analysis of Spanish Adjective Position"Proceedings of the First International Conference on Linguistic Informatics. 93-108 (2003)
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[Publications] 高垣敏博<編集責任>: "ポケットプログレッシブ西和・和西辞典"小学館. 1031 (2003)