2002 Fiscal Year Annual Research Report
現代ギリシャ詩研究-ソロモス・セフェリス・エリティスを中心に-
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13610644
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
石田 啓 東北学院大学, 教養学部, 助教授 (00203000)
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Keywords | 現代ギリシァ詩 / セフェリス / エリティス / クリネオス / ギリシァ俳句 / ヨーロッパ俳句 / アリストパネス / アルドゥス版 |
Research Abstract |
本年度の現代ギリシァ詩研究は、裏面に記した4点(上から1、2、3、4として記す)のうち下記2論文にまとめた。発表雑誌は、いずれもアテネ出版の学術的文芸、特に詩、誌であり、編集者からの求めに応じて投稿したものであるが、以後も継続的に現代ギリシァ詩に関する論文を依頼されている。 3は、現代ギリシァ語俳句の伝統とその意義を論じた論文である。1926年12月12日に文芸週間新聞Μεγαλη Ελληυικη Εγκυκλοπαιδειαに最初のギリシァ語俳句10句を発表したキプロス詩人クリネオスの俳句知識の背景を探り、セフェリスとフランス俳譜の可能な影響関係を考察した上で、以後のギリシァ語俳句に見られるホメロス的語彙、及びサッポー的表現を指摘することによって、ギリシァ詩における俳句の伝統化(これは筆者の知る複数のギリシァ詩人の言葉である)とその意義について、昨年度の研究成果である俳句文学館紀要掲載論文を一層展開しつつ現代ギリシァ語で記述したものに他ならない。 4は、ギリシァ語及びギリシァ文学の連続性及び一貫性という観点から、セフェリス、エリティス等の詩における古代ギリシァ詩からの影響について、同じく現代ギリシァ語で論述したものである。 1、2は、在アテネ日本西洋古典及び考古学研究所設立提唱の意図で書いた論文であり、アメリカ研究所付属イェンナディオス図書館所蔵の、1498年アルドゥス版アリストパネスの西洋古典伝播の観点からの意義を述べ、若干の重要写本と同版本との本文異読を検討した上で、現代ギリシァにおける日本の西洋古典及び考古学研究所設立の必要性を示唆した。現代ギリシァ研究の一環として敢えてここに記す。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 石田啓: "イエンナディオス図書館蔵イタリア古版本アリストパネス-アルドウス版の重要性に関する一考察-"日伊文化研究. 41号. 1-10 (2003)
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[Publications] 石田啓: "イタリアとギリシアの絆-15世紀ヴェネツィアのアリストパネス-"プロピレア. 14号. 1-18 (2003)
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[Publications] Γιανηζ Ισιντα: "ΗΠαραδοση του Ελληνιχο Χαικου"Δυκτικεζ Ινδιεζ. 10. 1-8 (2003)
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[Publications] Γιανηζ Ισιντα: "Ανοιχη η Ελπιδα--η αραχαιοελληνικη ποιηση στα ποιηματα Σεψερη και του Ελυτη--"ΕΡΕΙΣΜΑ. Autumn/Winter. 1-8 (2003)