2003 Fiscal Year Annual Research Report
現代ギリシャ詩研究-ソロモス・セフェリス・エリティスを中心に-
Project/Area Number |
13610644
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
石田 啓 東北学院大学, 教養学部, 教授 (00203000)
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Keywords | 現代ギリシァ詩 / セフェリス / エリティス / ギリシァ語 / アリストファネス / ホメロス / ピンダロス / カラギョージ |
Research Abstract |
本年度研究計画(以下、「計画」)に記した学会発表「セフェリスの俳句-『日記』と『詩集』から-」及び雑誌論文「現代ギリシァ詩研究の意義」(仮題)を、ギリシァの文学研究誌に発表した。古代ギリシァの詩及び詩人観をホメロス、ピンダロス、アリストファネス等の作品のうちに辿り、その伝統のなかでセフェリスとエリティスの位置付けを試み、セフェリスの俳句の重要性を詩全体との関連で指摘した。また日本の古典詩歌との比較に基づいて、ギリシァ語による俳句を二つの文芸伝統の出会いとして理解する考えを提示した。 「計画」に記載した古典俳句等の現代ギリシァ語への翻訳は、歴史及び文学的重要性を考慮し先ず和歌から始めて、和歌の美学を古代、現代ギリシァ詩と比較しつつ解説した。この作業は、以後も継続し図書として著す予定であり、協力者のギリシァ人学者とも同意の下で計画を遂行している。日本文学の翻訳は少なくないが誤謬が多いので、刊行時には貴重な貢献となるであろう。 夏季に主としてイオニア諸島で行った調査成果の一部は、東京とコルフ島で偶々同時に開催されたアレクサンドロス大王展に見られるヘレニズムの重要性に関する小論のうちに生かされている。また、現代ギリシァ影絵人形劇カラギョージに関するおそらく最初の日本語による紹介を行ったが、登場人物に反映しているコルフ島及びザキンソス島の文化性に触れることができたのは調査出張が無ければ不可能であった。同人形劇は、アリストファネス的諷刺の伝統、即ち生きている古典と呼べる。現代に生きる古典伝統研究として、カラギョージは興味深くかつ重要な課題であろう。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Giavnnh~ Isivnta: "Poihtikov Monopavti"To Deventro. 20/131-132. 10-25 (2004)
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[Publications] Giavnnh~ Isivhta: "Sakouvra kai Kokovro"vEreisma. 10/38-39. 1-10 (2004)
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[Publications] Hajime John Ishida: "A Long Journey from Greece"www.greece-japan.com. September. 1-3 (2003)
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[Publications] 石田 啓: "カラギョージへの旅-現代ギリシァ影絵人形劇について-"日本人形劇年鑑2004. 1-10 (2004)