2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13610652
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上野 善道 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50011375)
|
Keywords | 奄美諸方言 / 複合名詞 / アクセント / 付属語 / アクセント対立の発生 |
Research Abstract |
1.下記の調査地点で複合名詞のアクセント調査を行なった(この他の地点も計画していたが,それらは来年度に調査をする)。 喜界島小野津方言;奄美大島大和村国直方言・大和浜方言・戸円方言,同島宇検村阿室方言・佐念方言,同島住用村西仲間方言;徳之島浅間方言・松原方言 現在、その結果を整理中であるが,複合語のアクセントを決定する条件としては,基本的に前部要素が働いているものの,項目によっては後部要素が効いている例も見つかっている。詳しいことは,今後,さらに整理と補充調査によって明らかにする予定。 2.喜界島小野津方言について記述研究を進め,先行研究の2型アクセント説を修正して,少なくとも3つの型の区別はあることを明らかにした。また,付属語についても詳しく調べ,その特異な性質をかなり解明することができた。これについては研究発表を行なうとともに,論文にまとめた。 3.大和村や住用村の方言は,従来,アクセントの対立がないとされていたが,私の調査ではすべて対立をもっていることが明らかになった。その対立は,古くあった祖語のアクセントの区別を保存しているものではなく,新しく内的に発達したものであることも解明した。これについては,2回に分けて,海外で行なわれた国際会議で発表をした。そこに働いている条件は,分節音の融合,分節音の性質,および形態素の融合の3つで,それぞれの具体例を上げてそのプロセスとともに説明をした。
|