2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13610670
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Research Institution | Kobe Kaisei College |
Principal Investigator |
桐谷 滋 神戸海星女子学院大学, 文学部, 教授 (90010032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
御園生 保子 東京農工大学, 留学生センター, 助教授 (00209777)
須藤 路子 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 教授 (60226587)
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Keywords | 音声知覚 / 外国語学習 / 音素境界 / 長短母音 |
Research Abstract |
第二言語の音韻習得の困難に関わる要因として、言語によっては聴覚心理的特性からみて特異的な音韻境界を持った特殊な音韻カテゴリーが存在し、習得困難原因となる場合のあることが示唆されている。本研究ではこの問題につき、第二言語学習の初級者がどのようなカテゴリー境界を形成し、又それが母語話者のものとどのように異なるかを検討することを目的とする。 外国人日本語学習者にとって日本語の長母音・短母音の習得はしばしぱ困難を伴う。これにつき合成音による長・短母音の同定において、外国人学習者は一般に音の高さ、強さの影響を受けるが、日本語母語話者は影響を受けないことが確認された。聴覚心理的には、音の長さの知覚に高さ、強さが影響する傾向があると考えられるが、日本語話者は高さ、強さに依存しない継続時間長のカテゴリーを形成していると考えられる。二拍有意味単語を用いた実験でも同様の結果が得られたが、語末においてその傾向が顕著であること、母語のリズム特性(シラブルリズム、ストレスリズム)による差は小さいことが見られた。一方、促音の知覚に関し、日本語話者では促音の判断が、第二音節母音の立ち上がりのタイミングに依存していることが示唆された。上記の長短母音の同定についても、このようなタイミング構造の判断が基本と成っている可能性が考えられ、検討の必要がある。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Fujimoto, E.Murano, S.Niimi, S.Kiritani: "Differences in glottal opening pattern between Tokyo and Osaka dialect speakers"Folia Phoniatrica et Logopaedica. Vol 54. 133-143 (2002)
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[Publications] 麦谷良子, 林安紀子, 桐谷滋: "The possible preferential cues of infant's response toward their native dialects"音声研究. Vol 6. 75-87 (2003)
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[Publications] 皆川泰代, 前川喜久雄, 桐谷滋: "日本語学習者の長/短母音の同定におけるピッチ型と音節位置の効果"音声研究. Vol 6. 88-97 (2002)