2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13610692
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Research Institution | Seijo University |
Principal Investigator |
牧野 陽子 成城大学, 経済学部, 教授 (70165687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 克也 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (30171135)
HUGHES George 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 客員教授 (10281700)
平川 祐弘 大手前大学, 大学院・文学研究科, 教授 (80012368)
劉 岸偉 東京工業大学, 外国語研究教育センター, 助教授 (30230874)
井上 健 東京工業大学, 外国語研究教育センター, 教授 (30121867)
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Keywords | クレオール / 日本 / 近代化 / ハーン / ポストコロニアリズム / 西洋 / マルティニーク / 台湾 |
Research Abstract |
本年度は、二年計画の二年目として、共同研究参加者は各自が研究を発表し、論文にまとめていった。まず、4月2日に台北市の台湾大学において、同大学文学部日本学科主催シンポジウム、「ポストコロニアリズム-台湾と日本」で牧野、平川、菅原、井上、劉がそれぞれ、「"熱帯"の幻影-林芙美子『浮雲』について」、「小泉八雲の民話『雪女』と西川満の民話」、「『南蛮』から『華麗島』へ-日本近代詩におけるモダニズム」、「佐藤春夫の幻想物語-台湾経験とのかかわりで」、『小泉八雲と近代中国』との題で研究発表を行った。台湾側からも6名の発表者があったこのシンポジウムは、台湾の文部省の後援もあり、大勢の聴衆が集まり、活発な討議が行われて大変充実したものであった。発表内容は、中国語と日本語に相互に訳され、中国語版が、2002年秋に陳明姿編『後殖民主義-台湾輿日本』(台湾大学)にまとめられた。日本語版も日本で今年度中に刊行の予定である。次に、5月2日、3日の二日間にわたって、フランス・マルティニークで開催された国際シンポジウム「エグゾートの軌跡-第二回」(2日、サンピエール市市役所、3日、アンティル大学シェルシェル・キャンパス)では牧野、平川、ヒューズが、ハーンとクレオール文化とのかかわりについて、それぞれ、再話文学の発見、日本体験との類似性、土地の描写方法という側面から、研究発表を行った。サンピエル市、アンティル大学他の後援で行われたシンポジウムには、地元マルティニークの学者・作家の他、パリ大学からも複数の発表者が参加し、「クレオール化現象」について尽きない議論が交わされた。、会議の様子は地元の新聞やテレビでも報じられ、平川とヒューズは文化番組にも出演し、日本とクレオール文化の関わりについて語った。シンポジウムの成果は、フランス語でマルティニークで刊行される予定である。平川は、2003年2月にパリ大学で行われたシンポジウム「現代文学における東西の宗教の出会い」でも発表した。 二年間の共同研究を通じて、「クレオール化」という現象が特定の地域に限られるものではなく広範囲にわたり、むしろ近代から現代にいたる中で普遍的な問題を浮上させるものであることが明らかになったのは、有意義だった。この共同研究の参加者が中心となって、今年の夏の国際比較文学会では、この問題をより多角的に検証するパネルが予定されているが、今後も、この研究をさらに深め、かつ広い視野のもとに展開していくことになるだろう。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 牧野陽子: "Image of 'The Creole Mother' and Lafcadio Hearn's Youma"成城大学経済学部『経済研究』. 157. 105-115 (2002)
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[Publications] 牧野陽子: ""熱帯"の幻影-林芙美子『浮雲』について:屋久島、仏領インドシナと戦後日本"成城大学経済学部『経済研究』. 158号. 1-24 (2002)
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[Publications] 平川祐弘: "Lafcadio Hearn's Exceptional Understanding of Japan"Goteborg University Papers on Japan. No.2. (2002)
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[Publications] 菅原克也: "從「南蠻」到「華麗島」刧日本近代詩中的異国風趣(「南蛮」から「華麗島」へ刧日本近代詩におけるエグゾティシズム)【中国語訳】"陳明姿編『後植民主義刧台灣與日本』台灣大學日本語文學系. 83-101 (2002)
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[Publications] 井上 健: "井上ひさしのアメリカ文学--トムとハックの間で"國文學 解釈と教材の研究(學燈社). 48巻2号. 64-70 (2002)
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[Publications] 劉 岸偉: "The Impact And Dialogue in East Asia"東京工業大学外国語研究教育センター『言語文化論叢』. 第8巻. (2002)
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[Publications] ジョージ・ヒューズ(平石・玉井訳): "ハーンの轍の中で-ラフカディオ・ハーン、外国人教師、英文学教育"研究社. 229 (2002)