2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13620008
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
安田 信之 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 教授 (00242884)
|
Keywords | アジア / 市場 / 競争 / 組織 / 共同体 / 企業 / 法 / グローバリゼーション |
Research Abstract |
科研費が追加交付であったところから実質的な研究期間は、2001年12月以降と限られざるをえなかった。もっとも課題に関する研究は、それ以前から開始しており以下の報告には、それ以前のものも含んでいる。研究は(1)理論的枠組、(2)市場と法(競争法)、(3)組織と法(企業組織法)の3分野に分けられる。 (1)理論的枠組 これまでのLaw and Development Studyに関する文献を整理するとともに、1997年の経済危機後の東南アジアにおけるこの問題に関する方法をめぐっていくつかの成果を公表している。(参考文献参照)。またこれまでの枠組に「文化」概念を加えた新しい方法を検討中であり、これについては、2002年1月香港で開催された第4回東アジア法哲学会で報告している。その内容は、第一に法の概念を法規,法システムおよび法文化の3層に区分することと、「国際」「国家」及び「地域」の3社会概念を設定することにより、グローバル化の世界の中での法を立体的にとらえようとするものである。 (2)市場と法 これについては、2000年度の公正取引委員会の受託調査によって、東南アジア主要国の競争法制・政策の概観を終えており、これらの基礎的データの整理とその前提となる「市場」の概念についての検討を行っている。本来市場はある種の普遍性をもっているはずであるが、現実には各国・各地域の文化により修正される。 (3)市場と組織 東南アジアを中心に"Corporate Governance"という視点から知的協力を行っている世界銀行、OECDなどの会議・調査等の資料をインターネットを利用しながら収集・解析を行ってきた。その暫定的な見方については、「転換期のアジア型資本主義」(参考文献)の中で「共同資本主義企業」の問題として提起している。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 安田信之: "アジア的なるものについて-アジアの人権・権利概念理解の前提として"『北大法学論集』. 第52巻第2号. 605-640 (2001)
-
[Publications] 安田信之: "グローバリゼーション・開発・国際開発学-編集後記にかえて"『国際開発研究フォーラム』. 18号. 207-220 (2001)
-
[Publications] 安田信之: "転換期のアジア型資本主義-危機後の東南アジア法システム理解の前提として-"作本直行編『アジアの経済・社会開発と法』アジア経済研究所. (近刊). (2002)
-
[Publications] Yasuda, Nobuyuki: ""Law and Development in Southeast Asian Perspective : Methodology, History and Paradigm Change""Antons Christoph(ed.) Law and Development in East and South-east Asian Countries. Curzon. 25-68 (2002)