2002 Fiscal Year Annual Research Report
ヴィーコにおける法学の構想の再検討-『弁論術構義』を中心とする総合的研究-
Project/Area Number |
13620012
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
児玉 寛 九州大学, 大学院・法学研究院, 教授 (70192060)
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Keywords | ヴィーコ / 法学 / ローマ法 / 弁論術 / レトリック |
Research Abstract |
本研究は、ジャンバッティスタ・ヴィーコ(1688〜1744)における法学の構想に関する2つの仮説を、ヴィーコ研究の新資料であり『1741年度弁論術講義』(1989)と他の著作とを関連付けて読み解くことを通して論証することを目的とする。 第1の仮説は、ヴィーコの哲学理論は、通説と異なり、哲学それ自体としてではなく、法学を構想する上で典拠となるギリシャやローマの古典を読み解くための方法論的装置として構築されたというものである。 本年度は、昨年度に引き続き、ヴィーコの『1741年度弁論術講義』(ラテン語・イタリア語対照版)を解読するために不可欠なデータを作成する作業を行った。 その中心は、出典を明示せずに本講義で言及されているローマの法律家のテクストを特定する作業である。この作業は、『普遍法 Il diritto uniiversal』で引用されているローマ法文に対応する記述を『1741年度弁論術講義』から抽出する手法で行われた。その結果、ヴィーコが『学説彙纂Digesta』の第1章から数多くの法文を、彼なりの解釈を踏まえて自由自在に『弁論術講義』に盛り込んでいることが判明した。
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