2001 Fiscal Year Annual Research Report
国際法におけるウェストファリア・パラダイムの転換に関する調査研究
Project/Area Number |
13620037
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
奥脇 直也 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (60108199)
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Keywords | 国際法 / ウェストファリア / 領域主権 / 国際組織 / NGO / ガバナンス |
Research Abstract |
ウェストファリア・パラダイムを構成する領域・国民・国家の概念の内、領域主権の絶対性の機能的解体構築に関しては、これまでの研究をとりまとめる形で、国際法学会百周年記念論文集に「領域主権について:ウエストファリア・パラダイムの行方」と題する論文を掲載した。領域統治の正当性に関しては、二つの面からアプローチしつつある。一つは個人・NGO(犯罪NGOも含む)の国際法過程の表面への登場に伴う従前の国内・国際の切り分けの相対化問題、もう一つは国際組織の活動が国家の領域統治に及ぼす影響の問題(ガバナンスの問題を含む)である。後者については、国際組織の多様な問題(NGOの位置づけを含む)をとらえて総頁A4版200頁の教材を執筆・印刷し、これを来年度の講義において学生に読ませる予定である。二つのアプローチは相互に関連しており、NGO、フェミニズム、民族自決、レジーム論、ガバナンス論などに関する文献を購入し、これに基づいて次年度は「人」の側面から、現代国際法過程におけるウェストファリア・パラダイムのもつ限界を検討する計画である。 なお、領域の機能的開放、国際法主体の多様化の他、ウェストファリア・パラダイムの時間概念にも研究を拡張して、領域権原論と現状承認原則および民族自決原則との交錯の問題を含めて、5月の世界法学会で報告する予定である。
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Research Products
(1 results)