2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13620067
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
野田 進 九州大学, 大学院・法学研究院, 教授 (90144419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中窪 裕也 千葉大学, 法経学部, 教授 (90134436)
和田 肇 名古屋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (30158703)
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Keywords | 職業病 / 私傷病 / 安全衛生 / メンタルヘルスケア / 病気休職(休暇) / 労働時間 / 解雇 / 健康配慮義務 |
Research Abstract |
本研究は、労働者の病気およびヘルスケアに関して生じる法的諸問題を、総合的な視野で分析・解明し、その課題と解決のあり方について理論構築しようとするものである。 最終年度にあたる本年度においては、大別以下の3つの研究を中心に実施した。 第1に、本研究の重要な柱と位置づけている、私傷病に関する比較法研究に関しては、研究代表者である野田がフランスを、和田がドイツを、中窪がアメリカ合衆国を担当して、労働者の私傷病についての、病気休暇法制との関連、労働契約法制との関連、給与保障制度、企業の健康管理(メンタルヘルスケアを含む)との関連などについて、これまでの調査に基づいて基本的な特色をまとめ、比較法および比較制度的な研究・討議を行った。 第2に、わが国の問題領域については、労働者の病気やメンタルヘルスケアに直接に関連する法や理論の整備だけでなく、より広く労度時間法制や雇用問題にとも関連させつつ、問題の広がりを意識した理論構築を進行中である。これら第1および第2の検討結果については、科研報告書として、報告の予定である。 第3に、より実際的な課題として、平成14年4月より国立大学の法人化より、病気休職、安全衛生、労働時間の諸制度などが大きく変化することから、本研究の実務的な応用問題的な課題として、取り組みの必要が急がれると考えた。問題検討の緊急性に鑑み、本研究に関与する、野田、和田、および中窪の共同研究により「研究発表」欄に掲載の図書『国立大学法人労働条件ハンドブック』を執筆した。同書は、本研究の討議の経緯の中から生まれたものであり、実質的には本研究の副産物ととらえている。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 野田 進: "労働契約終了"注釈労働基準法(東京大学労働法研究会編). 上. 308-357 (2003)
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[Publications] 野田 進: "フランス労働法におけるグローバリゼーション"浜田富士郎, 香川孝三, 大内伸哉『グローバリゼーションと労働法の行方』. 135-152 (2003)
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[Publications] 和田 肇: "人事異動と労働者の働き方-配転・出向・転籍"西谷 敏, 中島正雄, 奥田香子編『転換期労働法の課題-変容する企業社会と労働法』. 188-207 (2003)
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[Publications] 和田 肇: "ドイツ建設産業の労働条件と労働協約"建設産業の労働条件と労働協約-ドイツ・フランス・イギリスの研究(和田肇, 川口美貴, 古川陽二). 17-123 (2003)
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[Publications] 中窪 裕也: "時間外及び休日の労働(労働基準法36条)"注釈労働基準法(東京大学労働法研究会編). 下. 148-163 (2003)
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[Publications] 中窪裕也, 村中孝史: "ディアローグ・労働判例この1年の争点"日本労働研究雑誌. 520号. 2-45 (2003)
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[Publications] 和田肇, 野田進, 中窪裕也: "国立大学法人労働関係ハンドブック"商事法務出版. (2004)