2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13620076
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
葛野 尋之 立命館大学, 法学部, 教授 (90221928)
|
Keywords | 少年法 / 少年法改正 / 少年審判 / 公開裁判 / 非公開 / プライバシー / 実名報道 / 匿名報道 |
Research Abstract |
(1)本研究の成果を踏まえ、既発表の論文に大幅な加筆・修正を行い、再構成した上で、著書『少年司法の再構築』(日本評論社)の一部として収録した。直接扱った部分は、第6章、第7章第5節であるが、全体にわたり、少年事件情報の公開・非公開問題の背景となるアメリカと日本の少年司法改革一般とこの問題との関連性について明らかにした。 (2)2003年5月の日本法社会学会分科会において、報告「刑事司法における被害とその回復」を行い、法社会学60号に同名の論文を掲載した。少年における犯罪行為に至までの被害の蓄積とその回復プロセスという観点から、少年の刑事手続の公開の意義についても論じた。 (3)2003年12月にアメリカ調査を実施し、12月1日から3日には、フロリダ州オランドー少年裁判所において、ホセ・ロドリゲス判事の協力により、裁判官席のとなりに座りながら、一般公開の少年審判の運営をつぶさに観察し、関係者へのインタビューを行った。12月3日には、ロドリゲス判事が司会をし、地元新聞記者、大学教授、弁護士,検察官の参加によるセミナー「少年司法のアカウンタビリティ」を行った。ここでは、日本の状況について、"Confidentiality in juvenile Delinquency Cases in Japan"と題する報告を行った。12月4日5日には、最近少年審判の一般公開を原則化したニュー・ヨーク州について、ニュー・ヨーク市家裁の少年審判を傍聴し、裁判官、書記官などにインタビューを行った。 (4)2004年1月には、改正少年法の下、いったん逆送決定を受け、公開・対審の刑事裁判に付された後、家裁への再移送決定を受け、最終的には家裁において保護処分が決定された京都事件について、付添人・弁護人となった弁護士・共犯少年の付添人弁護士に対するインタビューを行い、記録調査を行った
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 葛野尋之: "少年法改正と子どもの自己決定"法律時報. 75巻9号. 53-56 (2003)
-
[Publications] 葛野尋之: "刑事師匠における被害とその回復"法社会学. 60号. 50-67 (2004)
-
[Publications] 葛野尋之: "少年司法の再構築"日本評論社. 652 (2003)