2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13620095
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
鈴木 桂樹 熊本大学, 法学部, 教授 (90187724)
|
Keywords | イタリア / 官僚制 / 行政史 |
Research Abstract |
13年度は、それまでの研究テーマ(「イタリアの政治変動と行政改革の展開」)からの継続的分析作業を行い、主に90年代の行政改革の状況を、戦後の行政改革の流れも視野に入れながら整理した。その結果、近年の行政改革は、マクロな政治行政システムの改革、人事管理・公務員制度改革、規制原理上の改革、対市民関係の改善などイタリア行政史のうえでひとつの画期となりうるものと位置づけた。 14年度は、イタリアおよび日本を含めた他の諸国の官僚制の形成と史的展開に関する研究文献と基礎資料を昨年に引き続き収集するとともに、その分析をおこなった。イタリア官僚制の生成と展開については、リソルジメント以降の展開で政治変動、経済変動、社会変動の間のタイムラグが脆弱な官僚制の形成に大きな意味をもったこと。また、このことは、フランス、ドイツ、日本など後発資本主義国が上からの近代化の要請とその結果として強い官僚制を形成したこととの比較で、イタリアに特徴的であることが確認できた。しかし、その種差性の程度と質についての実証的、理論的分析作業には至っていない。
|