2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13620098
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
唐 亮 横浜市立大学, 国際文化学部, 助教授 (10257743)
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Keywords | メディアの市場化 / 国際報導競争 / メディアの対外開放 / SARS / 情報公開 / 隠蔽体質 / 情報発信能力 / 国際イメージ |
Research Abstract |
平成15年度の調査活動は今まで不足する資料、データを補足するために、中国現地調査を行い、文献資料を収集・分析するほか、来月の中国研究者、実務関係者に対して面接調査を行った。研究成果は「中国・テレビの経営と報道改革」、「SARSから見た中国の政治と情報」をテーマに論文を纏めた。主な研究成果は以下の通りである。 第一に、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、図書、電話、パソコン、インターネットの発展状況、普及率と市場規模はハードウエアの部分に当たり、情報化の進展を図る重要指標となる。この二〇数年間、マス・メディアおよび通信手段などは急速に発達し、情報の流通に好影響を与えている。 第二に、中国当局は鎖国から対外開放へとの路線転換を行い、VOA、BBC、自由アジアのラジオ放送およびアメリカのCNN、日本のNHKを含む国外のメディアは様々な形で情報を中国に送っている。情報の国際競争は激化するなかで、中国当局は情報発信能力を高めるために、報道改革を行わざるを得ない。2003のイラク戦争を生中継することやニュース専門のチャンネル(中央テレビ局新聞頻道)の開設はその例である。 第三に、メディアの改革は大きな矛盾をはらんでいる。中国当局は権力の維持や統制力を確保するために、メディアへの規制を行い、報道自由を制限している。他方、市場化、報道分野の国内外の競争は報道の自由化を促している。SARS問題はその矛盾を表している。当局は最初情報隠蔽をしようとしたが、国内外の圧力で公開に踏み切らざるを得なかった。
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[Publications] 唐亮: "SARS拡大で問われた中国の危機管理体制"世界. No.718. 264-271 (2003)
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[Publications] 唐亮: "SARSをめぐる中国の政治と情報"国際問題. No.525. 56-70 (2003)
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[Publications] 唐亮: "漸進民主"八方文化企業公司. 360 (2004)