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2002 Fiscal Year Annual Research Report

ミクロデータを利用しての生産性と直接投資の分析-東・東南アジアを中心として

Research Project

Project/Area Number 13630048
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

岡本 由美子  名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 助教授 (00273805)

Keywords直接投資 / ミクロデータ / ASEAN経済 / 生産性
Research Abstract

平成13年度まで所有していたインドネシア製造業のミクロデータが不十分であることがわかり、同国統計局より完全なミクロデータを購入し再度分析を行った。結論は、インドネシアの生産性向上のメカニズムは、既存工場の生産性向上というよりも生産性が高い工場の市場シェアの拡大、ならびに、高い生産性を誇る工場の参入または低い生産性工場の撤退によるものであることがわかった。つまり、生産性向上には、新規企業の参入や既存企業の撤退を行いやすくする政策が不可欠であるという結果がでた。一方、外資系企業の生産性向上への貢献であるが、いくつかの産業を除いては大きくはないという結果が得られた。インドネシアのような大国では地場系企業の育成も欠かせない。
残念ながらインドネシアと同程度な、詳細なデータの入手は他国では困難であった。しかし、台湾とタイにおいては分析に必要な最小限の変数を含んだ製造業のミクロデータの入手が可能であったので、直接投資が生産性向上にどのような貢献をもたらし得るかにしぼって研究を行った。台湾については、外資系企業の経済発展への貢献度がきわめて大きい。しかしながら、その貢献方法は時代によって変化している。初期の頃は、雇用創出や輸出拡大への貢献が主であったが、近年では、R&D投資を通じた生産性向上へと変化している。タイにおいても外資系企業の生産性向上への貢献が著しいが、同企業はバンコク周辺に集積しており、タイの地域間格差をさらに助長する傾向がある。今後のタイ政府の地域政策に重要な政策的インプリケーションが得られた。
市場経済化を目指しているベトナムについても、電子・電機産業にしぼって外資系企業の生産性向上を含めた経済発展への貢献度を探った。民間企業が未熟かつ国営企業が非効率なベトナムでは、外資系企業が成長のエンジンそのものであることが明らかとなった。ベトナムにおける投資環境の整備が急がれる。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Publications (2 results)

  • [Publications] 岡本由美子: "第1部第4章 海外直接投資とアセアン経済"財務省委嘱 東南アジア地域金融問題研究会. 55-71 (2002)

  • [Publications] 岡本由美子: "大野健一・川端望編「ベトナムの工業化戦略-グローバル化時代の途上国産業支援」第4章"日本評論社. 235 (2003)

URL: 

Published: 2004-04-07   Modified: 2016-04-21  

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