2002 Fiscal Year Annual Research Report
部品等の中間財貿易が国内雇用等に及ぼす影響に関する計量的実証研究
Project/Area Number |
13630056
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
冨浦 英一 神戸大学, 経済経営研究所, 助教授 (40273065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 誠一 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (70047489)
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Keywords | 国際貿易 / 輸入 / 生産 / ミクロデータ / 雇用 |
Research Abstract |
3か年の研究の中間にあたる今年度においては、輸入浸透が国内の雇用に与える影響を計量的に分析することを主眼とした。具体的には、米国における類似の先行研究との比較対照が可能となるよう、まず、標準的な労働需要関数に輸入価格を説明変数として加えて推定した。その際、日本に関する従来の研究よりもはるかに詳細な産業分類を用いた。その結果、日本においても、輸入競争の激化が国内雇用に及ぼす影響を近年は無視できなくなってきていることがわかった。 また、純雇用変動を、事業所開設による粗雇用創出、事業所閉鎖による粗雇用喪失、既存企業コ所における粗雇用創出・粗雇用喪失、事業転換に伴う粗雇用創出・粗雇用喪失に分解し、輸入競争の影響の違いを対照した。欧米における先行研究とも比較して推定結果を考察した。日本においても、西欧と同様に米国とは異なり、輸入競争の影響は既存事業所における雇用削減を通じてよりも、輸入競合産業における開行抑制に伴う新規雇用創出の低下を通じて現れていることが明らかになった。 これらの成果については、レフェリード・ジャーナル論文2本にまとめた。また、用いた詳細な産業分類対照表は、後続の研究のために公開した。今後は、本研究の最終年度において、輸入のうちで中間財を分離して、更に影響を精査していく計画である。 この他、関連した研究として、知的財産保護が海外直接投資に与える影響、マクロ経済変動がミクロ生産調整に与える影響についても、企業・事業所データを用いて計量分析を行った
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Eiichi Tomiura: "Capacity Constraint and Changing Seasonality over Business Cycles : Evidence from Plant-level Production Data"Economics Letters. Vol.76,No.1. 115-120 (2002)
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[Publications] 片山 誠一: "Is the IPR Protection working effectively in Developing Countries? : Some empirical findings from Japanese FDI in China"WTO and World Trade, III : Challenges in a New Era, edt. by G Heiduk and K-Y. Wong. 140-148 (2002)
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[Publications] Eiichi Tomiura: "The Impact of Import Competition on Japanese Manufacturing Employment"Journal of the Japanese and international Economies. (近刊).
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[Publications] Eiichi Tomiura: "Import Competition and Employment in Japan : Plant Startup, Shutdown and Product Changes"Japanese Economic Review. (近刊).
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[Publications] Eiichi Tomiura: "Capacity Constraint and Seasonal Productivity Variations at the Plant Level"Applied Economics Letters. (近刊).