2002 Fiscal Year Annual Research Report
誘因的政策および規制が再生可能エネルギーの普及に及ぼす効果に関する研究
Project/Area Number |
13630080
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
松岡 憲司 龍谷大学, 経済学部, 教授 (40141668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中久保 邦夫 姫路獨協大学, 経済情報学部, 教授 (80164151)
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Keywords | 再生可能エネルギー / 風力発電 / グリーン証書 |
Research Abstract |
これまで再生可能エネルギーの利用を促進するための政策として主として補助金が手段として用いられてきた。しかし近年、恣意性を排除できない補助金にかわり、市場システムを活用しようという試みが世界的に展開されてきている。わが国でも平成14年に電気事業者に対する新エネ利用法(RPS法)が制定され、電気事業者に新エネルギー(風力、太陽光、地熱、中小水力、バイオマスなど)の利用が義務づけられることになった。これはいわゆるグリーン証書の販売を通じ、市場メカニズムによって再生可能エネルギーの社会全体での利用を促進しようとするものである。 同様の政策は、ヨーロッパやカナダなど世界各地で検討実施されている。しかし風力発電の先進国であるデンマークでは、このようなグリーン証書システムの導入がいったんは決定されながら、延期に次ぐ延期の結果、実施されないことが決まった。とのように再生可能エネルギーを市場を通じて誘因的に促進しようとする政策はまだまだ模索中である。利用促進とならんで重視されているのが、再生可能エネルギーの利用技術である。これについても技術開発そのものへの補助金とそれを利用する市場側への促進政策(補助金または誘因的政策)の有効性について議論が展開されている。技術史的な側面からどのような政策が実施され技術開発に影響してきたかに関するデンマーク語の文献J.Thordahl著Dansk Elproducerende Vindmoeller 1892-1962を前年度から継続して翻訳した。この翻訳は今年度をもって完成終了した。 と同時に風力発電機の需要側において所有形態が普及にどのような影響を及ぼしたのかを、とくにデンマークにおいて現地調査した。その結果、一時衰退した協同組合方式での共同所有が、従来とは異なり都市型で復活する傾向があることがわかった。その点について述べたのが、「風力発電と協同組合的所有----デンマークの協同組合運動の伝統と風力発電機の協同組合的所有----」である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Jytte Thorndahl著, 松岡憲司, 宮脇利香訳: "翻訳 デンマークの発電用風車 1892〜1962 Poul la Courの理想風車からJohannes JuulのGedser風車まで(4)"風力エネルギー. 26(2). 44-49 (2001)
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[Publications] Jytte Thorndahl著, 松岡憲司, 宮脇利香訳: "翻訳 デンマークの発電用風車 1892〜1962 Poul la Courの理想風車からJohannes JuulのGedser風車まで(5)"風力エネルギー. 26(2). 31-40 (2002)
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[Publications] Jytte Thorndahl著, 松岡憲司, 宮脇利香訳: "翻訳 デンマークの発電用風車 1892〜1962 Poul la Courの理想風車からJohannes JuulのGedser風車まで(6)"風力エネルギー. 26(3). (2002)
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[Publications] Jytte Thorndahl著, 松岡憲司, 宮脇利香訳: "翻訳 デンマークの発電用風車 1892〜1962 Poul la Courの理想風車からJohannes JuulのGedser風車まで(7)"風力エネルギー. 26(4). 62-75 (2002)
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[Publications] 中久保邦夫: "風力発電と協同組合的所有----デンマークの協同組合運動の伝統と風力発電機の協同組合的所有----"経済情報学論集. 第17巻. 149-165 (2003)