2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13630113
|
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
高橋 豊治 中央大学, 商学部, 教授 (10211343)
|
Keywords | リスク管理 / 貸出 / 審査 / 格付 / 信用リスク / 社債 |
Research Abstract |
本研究では、急速に発展してきた信用リスク計量化にかかわる理論に関して、実務面との関連も念頭におきながら、どのようなインプリケーションが得られているのかを明らかにする。また、それと平行しながら、現実のデータをもとに信用リスクの計量を行ない、モデルの特徴を明らかにする。その際、上場・社債発行・格付取得企業を手がかりに、財務データをもとにした信用リスク計量モデルと、いわゆるオプション・プライシング技法をもとにした信用リスク計量モデルの間の実証面での関連性を検討する。貸出審査における信用リスクの取り扱いについて、会計データによる信用リスク判別理論を再度整理するとともに、オプション・プライシング技法をもとにした信用リスク計量モデルで推計された信用リスク量との関連性にづいて検討を加える。特に上場企業についてLIBORスプレッドとの関連性や社債・株式データから推計される信用リスク量と、会計データに基づく判別分析との関連を重点的に検討する。 本年度は、特に貸出審査における信用リスクの取り扱いについて、昨年度に引き続き整理・分類を続ける。会計データによる信用リスク判別理論を将来のキャッシュフローとの関連から整理・検討するとともに、昨年度研究で検討したオプション・プライシング技法をもとにした信用リスク計量モデルによる信用リスク量と新しい理論展開の関連性について検討を加える。特に上場企業についてLIBORスプレッドとの関連性や社債・株式データから推計される信用リスク量と、会計データに基づく判別分析との関連を重点的に検討を加えた。 まず理論面では、特に実務面との対比で重要な概念となってきているDCF(discout cash flow)概念との関連性や、連続的かつ不確実な意思決定時において重要な役割を果たすようになったリアル・オプションアプローチにおける進展を重視する。一方、計量面では、こうした理論の進展を実証分析に取り入れるための注意事項に配慮しながら、担保主義によらない融資審査のあり方につなげるようなモデル展開の可能性を検討した。
|
Research Products
(1 results)