2002 Fiscal Year Annual Research Report
確率フロンティアにおけるデータ包絡近似最適モデルの開発と広告計画への応用研究
Project/Area Number |
13630123
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹田 英二 大阪大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (80106624)
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Keywords | データ包絡分析 / DEA / マーケティング / 確率フロンティア / 広告計画 / メディア・ミックス |
Research Abstract |
本研究は、ターゲットとなる視聴者層のCM認知率を最大にするようにTVコマーシャルの時間帯別の投入量を求める問題を確率フロンティア・モデルとしてとらえたものである。すなわち、あるコマーシャルの各時間帯別投入量を入力として、CM認知率を出力とする確率フロンティア・モデルを仮定する。そして過去のデータからDEAによって、与えられた制約のもとで、確率フロンティアの確定部分(期待値)を最大にする各時間帯別投入量を求めるものである。今回は、そのモデルの拡張をおこなった。 (1)投入量の制約のある複数のコマーシャルのCM認知率をそれぞれ最大にする各時間帯別投入量を求める問題をコンプロマイズ・プログラミングで定式化した。それにより、複数のCM認知率を同時に最大にできない状況での妥協解を示した。その成果は、Katsuaki Tanaka and Eiji Takeda,"DEA Aproach to the Allocation of Various TV Commercials to Dayparts," in T.Tanaka, T.Tanino and M.Inuiguchi(eds.),Proceedings of MOPGP'02, physica-Verlag, Heidelberg,2003.に掲載予定である。 (2)TVコマーシャルだけでなく、新聞、雑誌、ラジオの媒体への配分を扱うメディア・ミックスの問題を扱った。すなわち、TV、新聞、雑誌、ラジオへの投入量と知名率、理解率の過去のコマーシャルのデータをもとに、予算制約のもとでの最適配分を求めるモデルへと拡張した。ここで、投入量の単位はTVではGRP,新聞では段数、雑誌はページ、ラジオは本数というようにそれぞれ異なっているが、DEAでは単位をそろえる必要がないのが特徴である。DEAを使って、予算制約にたいする知名率、理解率のフロンティア曲線およびその投入量についての関係を明らかにした。
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