2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640012
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
山田 裕理 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (50134888)
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Keywords | 頂点作用素代数 / ヴィラソロ代数 / 共形元 / ムーンシャイン加群 / 最高ウエイトベクトル |
Research Abstract |
本研究は、格子頂点作用素代数を、その部分代数の既約加群の直和に分解することにより、頂点作用素代数の構造に関する知見を得ることを目的としている。格子としては、A型、D型、およびE型のルート格子を√2倍したものを扱う。また部分代数は、互いに直交する共形元から生成されるヴィラソロ頂点作用素代数のテンソル積を考える。この部分代数の既約加群は、最高ウエイトベクトルにより定まるので、格子頂点作用素代数に含まれる最高ウエイトベクトルを決定することに問題は帰着する。本年度に得られた研究成果は以下の通りである。 1.格子が√2A_1型の場合に、最高ウエイトベクトルのうちウエイトが2以下のものをすべて決定した。格子頂点作用素代数は、ウエイトが2以下の最高ウエイトベクトルおよび共形元により生成されるので、頂点作用素代数の生成系が決定されたことになる。最高ウエイトベクトルをすべて決定することは、今後の課題である。 2.格子が√2D_1型の場合、互いに直交する共形元の選び方は2通りある。このうち一方のものについては、最高ウエイトベクトルをすべて決定することができた。しかし、もう一方の選び方に対しては、ウエイトが2以下の最高ウエイトベクトルを決定するにとどまっている。 3.格子が√2A_3型の場合、最高ウエイトベクトルはすでに決定されているが、その結果をもとにして、格子頂点作用素代数およびその加群の構造を調べることにより、整数環の8を法とする剰余環の元を成分とするある種の符号に対応して、新しいタイプの頂点作用素代数を構成した。 4.格子が√2A_3型の場合の研究をもとにして、ムーンシャイン頂点作用素代数を、互いに直交する共形元から生成される部分代数の既約加群の直和に分解することに成功した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] H.Yamada: "Highest weight vectors with small weights in the vertex operator algebra associated with a lattice of type √2 A_1"Communications in Algebra. 29. 1311-1324 (2001)
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[Publications] C.Dong, C.H.Lam, H.Yamada: "Decomposition of the vertex operator algebra V_{√2D_1}"Communications in Contemporary Mathematics. 3. 137-151 (2001)
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[Publications] M.Kitazume, C.H.Lam, H.Yamada: "A class of vertex operator algebras constructed from Z_8 codes"Journal of Algebra. 242. 338-359 (2001)
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[Publications] M.Kitazume, C.H.Lam, H.Yamada: "Moonshine vertex operator algebra as L(1/2, 0)×L(7/10, 0)×L(4/5, 0)×L(1, 0)-module"Journal of Pure and Applied Algebra. (発表予定,未定).
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[Publications] H.Yamada: "Highest weight vectors in the vertex operator algebra associated with a lattice of type √2 D_1"Communications in Algebra. (発表予定,未定).