2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640040
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
小松 弘明 岡山県立大学, 情報工学部, 助教授 (10178361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 惇 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (30032824)
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Keywords | 非可換環 / 環拡大 / 微分加群 / 素環 / 微分演算子 |
Research Abstract |
1.非可換環拡大の高次微分加群 高次微分加群は可換多元環を特徴付けるものとして古くから研究されてきた。高次微分加群の概念は非可換多元環にまで拡張されていたが、本研究においてさらに非可換環の環拡大にまで拡張することに成功した。従来のM. E. Sweedlerの方法(1980年)では、片側加群としての構造のみが研究されていたが、服部昭の先駆的な視点(1970年)に従い、自然な両側加群構造を生かすことによって、高次の片側微分演算子のみならず、非可換環の通常の微分演算子との自然な関係を見出した。この発見が本研究の大きな基盤となっている。例えば、可換多元環の場合のように、高次微分加群の間の自然な完全系列を構成することができる。また、環拡大にまで考察範囲を広げたことで、高次微分加群の冪等元による分解を得た。これは多元環の範疇では決して得られない結果である。さらに、高次微分加群による分離拡大および純非分離拡大の特徴付けを行った。 2.素環の一般化された微分演算子 一般化された微分演算子は1で述べた理論をさらに拡張する際に自然に出現する概念であり、一般論については現在研究中である。一方、素環においては微分演算子の理論が古くから独自に発達しており、近年それらが一般化された微分演算子にまで拡張されている。その中でも本研究ではB. Hvalaの結果を拡張することに成功した。残念ながら、論文投稿後に同じような結果を含む論文が発表されたため、我々の論文は発表できないこととなった。しかし、我々の結果の方が強い部分もあるので、今後さらに改良を行う。
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