2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640047
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
前田 英敏 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (10229312)
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Keywords | 偏極多様体 / ベクトル束 / 代数幾何学 |
Research Abstract |
与えられた多様体を豊富な因子として含むことができる非特異複素射影代数多様体の構造を決定することは,豊富な因子による非特異射影代数多様体の分類という意味から,偏極多様体に関する問題の中において極めて重要な位置を占める.この研究の目的は,多様体Zが与えられたときに,非特異複素射影代数多様体Xと零点集合がZになるような大域切断を有し,かつ,ZのXにおける余次元に等しい階数を有するX上の豊富なベクトル束Eとから成る一般偏極多様体(X,E)の構造を明らかにすることによって,上記の豊富な因子による非特異射影代数多様体の分類をその一部として含むような一般偏極多様体の分類理論を展開し,豊富なベクトル束の観点から非特異射影代数多様体を研究することであった. 今年度は,非特異射影代数多様体X上の豊富な直線束HをZへ制限して得られる偏極多様体(Z,H_Z)がH_Zに関して高い次数を有する場合に,Zが2重楕円曲線切断を含む非特異射影代数多様体であるという仮定の下で,Z上で消滅する大域切断を有し,かつ,ZのXにおける余次元に等しい階数を有するX上の豊富なベクトル束Eの構造を完全に決定した.また,この研究の間に,(Z,H_Z)が非特異曲線上の2次超曲面ファイバー束であるという仮定の下で以前分類していた(X,E,H)に関する結果を改良することにも成功した.
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