2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640050
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
長岡 昇勇 近畿大学, 理工学部, 教授 (20164402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉 脩藏 近畿大学, 理工学部, 教授 (80025410)
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Keywords | 整数論 / 保型形式 / 数論幾何学 |
Research Abstract |
多変数保型形式の理論は近年発展が著しい。特にその典型的な例であるSiegel modular形式、Hilbert modular形式やHermite modular形式についてはその具体的な性質が様々な手法によって明らかになってきている。その代表的手法としては、「表現論的手法」、「代数幾何的手法」が挙げられる。例えば「代数幾何学的手法」による結果の一つとしては、Hilbert modular曲面の代数幾何的性質を調べることにより、その上の関数、すなわちHilbert modular形式でいかなるものが存在得るか?という問いに解答の手がかりを与える。この研究では、多変数のモジュラー形式について、その整数論的性質を調べることにより、定義されているモジュラー多様体の有限標数の体上での性質やp進体上での幾何学的性質を明らかにすることを目標としていた。すなわち (1)Siegel-Eisenstein級数のp進的な性質を明らかにする。 (2)標数pのmodular形式の性質を調べる。 (3)modular形式のなすgraded ringの構造を調べる。 (4)Hermite modular形式のliftingの研究。 などが挙げられる。上記項目についてこの研究期間において得られた結果は次の通りである。 (1)Serreのp進Eisenstein級数に関する結果をSiegel modular形式の場合に拡張し、いくつかの予想を提出した。 (2)ある実2次体に関するHilbert modular形式の標数pの場合のgraded ringの構造を決定した。 (3)(2)と関連してある種のHilbert modular形式のp整な局所環上のgraded ringの構造を決定した。 (4)Gauss数体に関する3次のHermite modular形式のFourier係数の数値例を求めた。 以上がこの研究期間に得られた結果であるが、(4)は海外共同研究者Krieg氏との共同研究によって得られたものである。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] S.Izumi: "Flattness of differentiable functions along a subset of a real analytic set"J. D'Analyse Math.. 86. 235-246 (2002)
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[Publications] S.Izurni, S.Koike, T.-C.Kuo: "Computations and stability of the Fukui invarinats"Compositio Math.. 130. 49-73 (2002)
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[Publications] 浪川幸彦編, 成木勇夫, 長岡昇勇, 林芳樹共訳: "アトラス数学辞典"共立出版(未定). (2005)