2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640052
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Research Institution | Oyama National College of Technology |
Principal Investigator |
島田 勉 小山工業高等専門学校, 一般科目, 教授 (40321393)
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Keywords | 虚二次体 / 類数 |
Research Abstract |
Q,Zはそれぞれ有理数体,有理整数環とする.K=Q(√<m>)を虚二次体(mは平方因数のない負の有理整数)とし,d_Kをその判別式,O_Kを整数環,h_Kを類数とする. m≡1 mod 4のときω=(1+√<m>)/2,m≡2,3 mod 4のときω=√<m>とおく.NをKからQへのノルムとするとき,Kによって定まる定数 p_K=max{N(b+ω)の素因数の個数;0【less than or equal】b【less than or equal】|d_K|/4-1}について次が示されている. 定理(H.Moller, R.Sasaki)虚二次体Kにおいてh_k【greater than or equal】p_Kが成り立つ. この研究においては,不等式h_K【greater than or equal】p_Kの改良について以下のような成果を得た.まず,bの動く範囲として次の集合Bをとる. m≡1 mod 4のときB={b;0【less than or equal】b【less than or equal】2Nω-2,b≠Nω+l^2-1(Z∋l【greater than or equal】0)},m≡2,3 mod 4のときB={b;0【less than or equal】b【less than or equal】2Nω-1,b≠Nω+l^2+l(Z∋l【greater than or equal】0)}. 次に,各bについてN(b+ω)の素因数達の中で,それを割る素イデアルが特異類に属さないものの個数をb_1,属すものの個数をb_2とする.b_1=0のときb'=2^<b_2-1>,b_1≠0のときb'=b_1×2^<b_2>とし,p'_K=max{b';b∈B}と定める.一般にp'_K【greater than or equal】p_Kである.p_kを牢義するためのbの範囲は大体0【less than or equal】b【less than or equal】Nω-1であるので,p'_Kを定義するbの範囲は約2倍である.'主結果は次のとおり;定理 虚二次体Kにおいてh_K【greater than or equal】p'_Kが成り立つ. 証明には次の補題を用いる,補題 イデアル[a,b+ω]が単項であるためには,方程式X^2-d_KY^2=4aが次の条件を満たす整数解X=s,Y=tを持つことが必要十分である. (s-(2b+1)t)/2 ∈ aZ(m≡1 mod 4のとき),(s-2bt)/2 ∈ aZ(m≡2,3 mod4のとき).
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