2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640059
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
河上 肇 秋田大学, 工学資源学部, 助教授 (20240781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 真人 秋田大学, 工学資源学部, 助教授 (10261645)
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Keywords | 逆問題 / 熱方程式 / ガウス曲率 / 安定写像 / 平面への投影 / 特異値集合 |
Research Abstract |
研究代表者(河上)が今年度中に発表した研究は無いが、現在以下の研究を進めている。 1.交付申請書の研究実施計画で引用した論文"[BC]:Kurt Bryant and Lester F. Caudill Jr., Inverse Problem14 1429-1453(1998)"の一般化・精密化を金沢大学の土谷教授と共同で研究している。[BC]とは異なるが物理的には自然な境界条件を設定し熱方程式を変数係数に一般化した。[BC]では一意性を得るために無限時間区間でのデータを必要としているが、2通りの方法で有限時間区間でのデータでも十分であることを示した。また熱方程式の線形化の過程の厳密化を検討している。 2.曲面内の円盤と同相な領域上で、ガウス曲率が正(または負)となるようにリーマン計量を変形できるための必要十分条件は、ガウス・ボンネの定理によって与えられるのではないか?との予想を以前から持っていたが、その部分解を得た。なお本問題はポアソン方程式のソース項に関する一種の逆問題である。 研究分担者(小林)は下記の考察を行い「関西微分幾何セミナー、2003.2.19-20、90分講演2回、近畿大学理工学部」で報告した。閉曲面を安定写像を通して平面に投影する。その特異値集合は尖点と正規交差を特異点として許す平面曲線となる。逆に、どのような平面曲線が閉曲面の投影に由来するか、というHaefligerの問題を考える。この問題には既にFrancis-Troyerにより解が得られているが、別の視点からの特徴付けを与えた。それは1次元CW複体の間のcoveringという視覚的なもので与えられ、従って応用が容易である。実際これを用いて、各種の写像の変形の定式化、少数の連結成分をもつ平面像の数えあげ等ができる。
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