2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640115
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
田沼 一実 群馬大学, 工学部, 助教授 (60217156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 三郎 群馬大学, 工学部, 教授 (10110397)
芦野 隆一 大坂教育大学, 教育学部, 助教授 (80249490)
中村 玄 北海道大学, 理学研究科, 教授 (50118535)
天野 一男 群馬大学, 工学部, 助教授 (90137795)
池畠 優 群馬大学, 工学部, 教授 (90202910)
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Keywords | Rayleigh波 / 残留応力 / texture / 音弾性 / Strohの定式化 / 境界値逆問題 / 再構成公式 / Dirichlet to Neumann map |
Research Abstract |
1.残留応力と組織異方性(texture)をもった弾性体において,表面を伝播するRayleigh波の速皮の分散公式を導出した.具体的には,残留応力と組織異方性によって生じる非等方性を,線形のオーダーまで考慮し,等方弾性体におけるRayleigh波速度からの摂動を,残留応力と組織異方性の一次式の形で求めた.この公式は,20年以上材料力学の分野で研究されてきた,残留応力に起因するRayleigh波速度の相対的変化を表す音弾性公式を,包括的に含むものであり,さらに組織異方性が音弾性係数(acoustoelastic coefficient)に及ぼす影響を,明らかにするものである.この結果は,Rayleigh波を記述する弾性波動方程式にStrohの定式化を応用することで得られた. 2.前年度において得られた,局所化されたDirichlet to Neumann mapから,境界での導電係数,および境界法線方向の導電係数の導関数を,弱形式で再構成する公式を数値実験で実現化した.弱形式での再構成,すなわち,与えられた密度関数と導電係数との合成積を再構成することは,導電係数の値がごくわずかの領域で変化する場合に,導電係数自身の再構成よりも,トモグラフィーの現場では実際的である.具体的には,単位円板領域において,円周上のある一点の近傍に局在するDiruchletデータを与え,有限要素法により計算される近似Dirichlet to Neumann mapを用い,上述の再構成公式から方程式の係数、およびその導関数の弱形式を,数値的にかなり精度を上げて再構成することができた.これらの結果は,逆問題専門の国際誌に投稿中である.またこの再構成公式で仮定している導電係数のregularityについて,optimalな条件となるよう再検討し,境界形状も一般化し、導電方程式の境界値逆問題の最終結果として成果をとりまとめることを計画している.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kazumi Tanuma: "Angular Dependence of Rayleigh-Wave Velocity in Prestressed Polycrystalline Media with Monoclinic Texture"Journal of Elasticity. 69. 181-214 (2003)
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[Publications] 田沼一実: "係数同定のための逆問題"数学解析の望ましい姿を探って(九州大学出版会). 117-126 (2004)