2001 Fiscal Year Annual Research Report
三日熱マラリア感染症数理モデルの構築とそのシミュレーション
Project/Area Number |
13640116
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
石川 洋文 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (00108101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 徹 岡山大学, 環境理工学部, 講師 (20260664)
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Keywords | Plasmodium vivax / Malaria / Transmission / The Solomon Islands / model / simulation / Relapse |
Research Abstract |
1.研究初年度にあたる本年は、Plasmodium vivaxのtropical speciesを対象として、vivax malariaの特徴であるrelapse現象(初感染回復後血中症陰性期を経て再発病)を組み込んだ伝播数理モデルの構成を行った。 2.Entomological parametersは、Guadalcanal島における媒介蚊生態の香川医科大学・原田正和、村主節雄(研究協力者)によるField dataに基づき定めている。また、Epidemiological dataについては、自治医科大学・石井明、国立国際医療センター・永井伸彦、筑波大学・大前比呂志(研究協力者)GroupによるSolomon医療訪問により観察された血液塗末標本検査結果等を利用し、その流行実態に適合するように定めている。 3.本モデルに基づくシミュレーションでは、選択集団治療投薬(Selective Mass Drug Administration)の実施、媒介蚊コントロール(薬物浸漬蚊帳配布)による効果判定をvivax prevalenceの解析を通して行った。この際、G6PD(glucose-6-phosphate dehydrogenase)欠損者には、primaquine投与による溶血反応の副作用が伴う場合を考慮して、これらの者を除外するように上記field dataに基づき設定している。この結果、年1回の選択集団治療投薬のみでは、三日熱マラリア流行を長期間低下させることは困難であり、このためには、蚊媒介能低下施策との併用が有効であるとの見通しを得ている。また、現在primaquine full courseによる根治治療を取り入れたモデルにおいて、流行に対する影響などを、シミュレーションを通して解析中そある。 4.上記の成果は、論文に取りまとめ、現在国際専門誌に投稿中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ohga, Y., Ishikawa, H., Doi, R., Ishii, H.: "Simulations on prevalence of Echinococcus multilocularis in Hokkaido on the basis of vole population dynamics"Journal of Faculty of Environmental Science & Technology, Okayama University. 7・1. 1-5 (2002)
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[Publications] Ishii, H., Ishikawa H., Ohga, Y.: "Mathematical model for the transmission of Lymphatic filariasis and its applications"Journal of Faculty of Environmental Science & Technology, Okayama University. 7・1. 7-16 (2002)
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[Publications] 石井裕之, 石川洋文, 大賀潔生: "リンパ系フィラリア症流行の数理モデルによる解析とその応用"日本熱帯医学会雑誌. 29・増. 176-176 (2001)