2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640139
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
戸田 誠之助 日本大学, 文理学部, 教授 (90172163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陳 致中 東京電機大学, 理工学部, 助教授 (00242933)
谷 聖一 日本大学, 文理学部, 助教授 (70266708)
夜久 竹夫 日本大学, 文理学部, 教授 (90102821)
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Keywords | 2次元格子グラフ / 超立方体グラフ / self-avoiding walk / 数え上げ問題 / 結び目 / 自明性判定問題 / ブレイド / 共役問題 |
Research Abstract |
2次元格子グラフならびに超立方体グラフの部分グラフに関して、self-avoiding walkの本数を数えることを目的とした多種類の計算問題の計算量を解析し、これらの問題が#P完全や#EXP完全になることを示した。また、4文字アルファベット上の文字列が2次元格子グラフにおけるself-avoiding walkを表現しているか否かといった計算問題を考察し、単方向入力ヘッドを持った非決定性チューリング機械によってこの問題を解こうとするとき、線形以上の領域が必要となることを示した。これらの結果は、self-avoiding walkの数え上げ問題に関する計算量を明示した初めての結果であるとともに、2次元格子グラフならびに超立方体グラフそのものにおけるself-avoiding walkの数え上げ問題の計算量を部分的に明らかにしたものである。さらに、絡み自・結び目理論における様々な判定問題の計算量を解析した。3次元球面内の結び目の自明性判定問題がNPに属することがすでに知られているが、本研究では、その問題がAM∩coAMに属することを示した。この結果は、3次元球面内の結び目の自明性判定問題がNP完全とはなり得ないことの強い状況証拠を与えるものであり、その意味で先に知られていた結果よりも本質的な計算量を明らかにしている。またさらに、n本の紐からなるブレイド群における共役問題について考察した。先の問題とあわせて、この問題も絡み目・結び目理論における基本的な計算問題であるが、その計算量はまったく明らかにされていなかった。本研究では、この問題がPSPACEに属することを示した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Liskiewicz, M.Ogihara, S.Toda: "The complexity of counting self-avoiding walks in subgraphs of two-dimensional grids and hypercubes"Theoretical Computer Science. Vol.304 No.1-3. 129-156 (2003)
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[Publications] 原正雄, 谷聖一, 山本慎: "結び目の非自明性判定問題の計算量について"京都大学数理解析研究所講究録. 1325. 227-232 (2003)
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[Publications] M.Matsuba, S.Tani: "On Computational Complexity of the Conjugacy Problems for Braids"電子情報通信学会信学技報. CPMP-2003-88. 17-23 (2004)